アフリカネイションズカップ エジプトvsジンバブエ

 

 コパ・アメリカはグループステージの最終節に突入したが、その裏ではエジプトでアフリカネイションズカップが6/22(日本時間)から開幕している。アフリカネイションズカップとはなにかというと、アフリカサッカー連盟に加入している国々で争われるミニワールドカップのようなものである。ぱっと見た感じ西サハラ以外のアフリカの国はすべて加盟しているようだ。

 

 Wikipediaの「アフリカネイションズカップ」の項によると、第一回大会の模様は以下のような感じだったらしい。

 

1957年に第1回スーダン大会が開催されたが、大会にエントリーしたのはエチオピア、エジプト、南アフリカスーダンのわずか4カ国だけで、このうち南アフリカは当時のアパルトヘイト政策により人種混成チームの派遣を拒否したため(全員黒人か全員白人どちらかのチームの派遣を主張)、CAFから出場停止にされた(後にCAFから南アフリカは除名された)。最終的に3カ国で大会を実施し、エジプトが決勝でエチオピアを4対0で下し、初代王者となった。

  前途多難なはじまりかたをしているが、めでたく今年は32回目の開催となる。出場チーム数は24。グループステージで16チームに絞られ、そのあとは7月15日から決勝トーナメントを戦う。全試合ではないが有力国の試合はDAZNが配信してくれている。

 

 その開幕戦、開催国エジプトとジンバブエの試合を見た。始まりから両チーム、ディフェンスラインのパス回しをミスしあうという落ち着かない入りになった。試合の主導権を握るのはモハメド・サラーがいるエジプトだった。プレミアリーグ得点王となった凶速FWの暴力で一方的なゲームに……、と思いきやサラーがまったく守備をしないのでジンバブエもサラーがいる(というかいない)サイドから攻撃のチャンスを作ることができていた。

 サラーのいる(というかいない)相手サイドを起点にして、マイボール時にはすばやく前にボールを運べていたジンバブエに対して、エジプトはディフェンスラインからのビルドアップに多少問題を抱えているように見えた。序盤のボール前進はサラーへのロングボールか、サラーがおりてきて運ぶかの二択だった。

 両チームとも2列目の守備がマークの受け渡しがあやしく、ボールが出た人に寄せていくという感じだったので、攻める側はパス&ゴーでシンプルに最終ラインに前を向いて勝負することができていた。そういう即興的な攻撃が上手なのはエジプトのほうだった。その形からエジプトは(なぜかトレゼゲという名前ということでW杯でも話題になった)トレゼゲの美しいゴールで先制。途中からサラーがトップに移って、ジンバブエは享受していた敵陣の根拠地を失い、そのまま1-0で試合は終了。

 

 ジンバブエで印象に残ったのはGKのエドモア・シバンダ選手。南アメリカのWitbank Spurs F.C.というクラブでプレーしているらしい。全体的に安定感のあるプレーをしてたけど、キック力がすごくて、とくにチャンスになっていたわけではなかったけどものすごい威力のキックを敵陣に飛ばしていた。一度などクリアをエジプトペナルティエリア内でおおきくバウンドさせ、相手センターバックは(冷静に考えるとそのまま流せばいいのだが)混乱して後ろ向きにクリアしていた。

 あと、試合開始すぐにプレッシャーをかけられたシーン。前から相手が来てるのに思いっきりライナー性のボールを正面に蹴っていたのは男らしかった。たぶん、相手FWにあたってもそのFWごと敵陣に吹き飛ばせるという自信があったのだろう。負傷で交代してしまったのが残念だった。軽傷であることを祈る。