時計は夜の隅っこで


時計は夜の隅っこで
時間が止まったときのことを考えた

それがわかるのは時計と君が
月に一度くらい
魂を交換する間柄だからだ

時計はたまに学校に行き
通学路で転びながら帰ってくる

修学旅行では視界の端で
景勝地をとらえる

逆に時計の中で君は
切りがないということが
どういうことなのか味わい

9時と10時の間にひそむ
謎を見つけては解き明かす

「時間が止まった」といい出すのは
ついに嘘をおぼえた時計だよ
(君は思うそして言う「君も僕も
針つきの歯車だという点ではおなじなんだ」と)
笑って嘘を見逃すのは
昼も夜もゆっくり眠った君しかいないよ