短歌 78

 

あなたには聞こえない波の音のように静かに入りこむ子どもたち

 

 

冷えた手はこう温める いまよりもクルトンがもっと好きだったこと

 

 

機関室のぞき込むとき素人の水夫をおそうつめたい眩暈

 

 

目の前でズボンの中が揺れている 雑魚をいじめてよろこぶ君の

 

 

水曜日ニュースを見れば週末が急に待ち遠しくなってきて

 

 

働いて意志を貫き働いて奇妙にほほ笑む天使であること

 

 

味見する午後のひととき 海水に長く浸かって甘い体を