短歌 77

 

割り切れる数はうれしいなにもかもわかちあいたい二歳児たちに

 

 

夏休みの映研室では知恵の実を齧りながら見るバグダッド・カフェ

 

 

火葬炉をあければ像が見えて ああ 鏡でいるしかなかった君の

 

 

フラれてもそのあと叶う恋もあり秋のじゃない月も大きいな

 

 

それぞれを離れて暮らす日々もある 会いたいと言えば会えるあなたと

 

 

葬式で多少悲しみは癒え また 貢献が求められる日々へ戻った

 

 

学生たちは南風に間引かれ 記念樹はその次の春もここへとどまる