2024-01-12 短歌 77 割り切れる数はうれしいなにもかもわかちあいたい二歳児たちに 夏休みの映研室では知恵の実を齧りながら見るバグダッド・カフェ 火葬炉をあければ像が見えて ああ 鏡でいるしかなかった君の フラれてもそのあと叶う恋もあり秋のじゃない月も大きいな それぞれを離れて暮らす日々もある 会いたいと言えば会えるあなたと 葬式で多少悲しみは癒え また 貢献が求められる日々へ戻った 学生たちは南風に間引かれ 記念樹はその次の春もここへとどまる