短歌 73

 

ひと群れをジョギングで抜けば高専生価値を咲かせて上る坂道

 

 

飲み後のバスでどうして年収のことなど訊いてしまったのだろう

 

 

申請はいびつなままに間に合って ギリシャ語表記のあなたの名前

 

 

ゲーセンでぬいぐるみ君と獲る 慣れはいつしか飽きに変わるというが

 

 

被弾した花屋に人はいなかった 花がすこしと花輪がすこし

 

 

初めての祖母を訪ねる 将来的にはなくなるという電車に乗って

 

 

割りばしがへたくそに裂けるそのせつなきみへの愛がぼくをおそった