短歌 58

 

売れるとは買い手を選ばぬことであり通知の光と眠るひと夜

 

 

ピロティで頭を下げて待っている君は謙虚な置き傘のよう

 

 

こどもらは暗がりに転び祭りそのものよりも楽しそうな人はいない

 

 

古そうなトイレにあきらめて並び桜の花ことばは憂国

 

 

家であり最後は棺になるものをずっと背負って生きる生き物

 

 

からかいの宛ては姿見エイプリルフールに衣替えをすませば

 

 

川の水で切手を濡らして 覚えてる? 転校してから、夏、二度目だよ