短歌 53

 

ピクルスはつまみになるよと君は言う ピクルスの棚はまだ遠いのに

 

 

生きた猫みつけて死んだ猫のこと思う通院帰りの小道

 

 

すこしずつ貧しくなっていく日々が給料日までつづいてく冬

 

 

割箸が食べ終えの皿に残ってて無数の夢の墓ならぶ街

 

 

風呂上がり「津波はないよ」と教えられ眠たいだけのラブホの夜だ

 

 

鳥になり人に撃たれる夢を見て土はおどろくほど温かい

 

 

日報を書けば静かに性欲が体に満ちる夜の出社日