短歌 39

 

洋梨のような留学初期の日々 ひとつかみにして語れるほどに

 

 

はじめての鶴を折りあげこの国はコンパクトだよと教えてもらう

 

 

風の吹く橋の上では持っているものを離してみたくなっちゃう

 

 

うつくしいものをかさ増しして横にひろがっていくせつなき帝都

 

 

直訳すれば「幸せ」になる居酒屋でタクシーを待てばなかなか来ない

 

 

友達も恋人もいるこの街にずっといる 出る必要もなく

 

 

この先の車線減少に備えてスピードを落とす僕の人生