散らばったものを拾い集めた
それは
きみが送るはずだった
正しい人生のかけらだった
それは
両目のつぶれた錠剤パックの1ピースで
手あかのついた2代前のマウスで
流行りの過ぎたフィギュアで
コルクボードに磔にされた
市役所からくる「重要」と書かれた郵便物だった
じゃあね
僕は共依存を治療し
3LDKがあり、朝食と夕食があり
PTAの義務のある
古ぼけた未来を選ぶ
きみのことが恋しくなるだろうけど
ある朝、庭の植木鉢全体に撒くホースの水の
輝かしいしぶきのなかに
間違った人生を思い出すだろうけれど
これが正しいんだよ
正しい道をゆくよ