爆弾で明るくなろう


「爆弾で明るくなろう
いつまでも眠ってないで
明るくなって成功しよう」
開けたばっかりの
ピアスの悪魔がそういうんだ

 

今もっているのは
財布に詰まった現金と
赤い血のしみ込んだガーゼ
リベラルアーツの学位と
目のまえを横切っていくビニール袋
それだけ

 

そして私は
私に値段をつける気なんて
ないやつばっかりに理解され

接客業でできた擦り傷を
愛おしい気持ちで見つめ

毎晩現れる星に
疎遠になっていく友達の名前をつける

 

「爆弾で明るくなろう」
そっとひとりでつぶやいて
シャワーのお湯が暖かくなっていくのを
待つんだ