短歌 17

 

帰路ゆけば外灯がつき人生の大部分はまだ残ったままだ

 

 

信号を待ちきれなかった少女たち「星空よりもはるかに綺麗」

 

 

いい加減静かにしろよ赤林檎ナイフをあてたら夜なのだった

 

 

うつくしい高層ビルで知られてる宇宙のなかの猿の一族

 

 

せっかくのGoogle Earthで僕たちは記憶の中の土地をめぐった

 

 

家族みな映画の最後を見つめてる 敗者のほうに心をよせて

 

 

都市論を 一日 ひとひ 続けてゼミ室を出れば三鷹の空は夕焼け