2020-03-15 短歌 6 とどかない場所かも知れずイカロスはじつは迷っていた 最後まで 皇帝の気まぐれひとつで死ぬ朝にぶどうの庭で乾く朝露 ケーブルの合流地点が胸元に収まってこれは僕のイヤホン 着替えるからうしろ向いてて 無人島 海がうしろを向いてくれたね 両面にジャムを塗られてトーストは抵抗するとひどい目にあう さよなら、と掬われなかった金魚らは夕ぐれどきの空へかえった