名取さなさんのインタビュー ほか

 

グレンファークラス 10年

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 ちっちゃいサイズのグレンファークラスがスーパーに置いてあったので、友達と半分こして飲んでみた。バーとかではなんかいか味してみたことがあるウィスキーで、味よりも(味ももちろんおいしいけれど)、「glenfarclas」と右肩上がりで書かれた、古い洋画のタイトルテキストのようなかわいいロゴと、化粧箱の上流階級の子息のような色合いがとても好みだった。

 ワンランク上の12年になると、化粧箱は似たような色合いの青色になる。それも非常に良い。

 

 味は、最初は突き刺すような感じがあるけれど、全体的に複雑で華やか。最初の突き刺す感じがあれなら、水を入れるとフルーツみたいなさわやかな香りの舞を味わえます非常に美味。

 

名取さなさんのインタビュー

 ちょっと興味を持って名取さなさんについて調べていた。周りにあまりにも熱を持って好きなひとがいすぎるので、個人的にはスルーしようと思っていたVTuberだが、このインタビューを読むとただものではないというのが伝わってくる。

 インターネット上の、……いや、ここにオンラインとオフラインの違いはないでしょう。生きていくうえで、自分の人格をなにかのための手段だと考えているひととそれ自体として目標だと考えているひとがいて、人格を売り物にするVTuberのような職業にもその両方がいると思うのだけど、名取さなさんはたぶん後者のタイプのひとなのではないでしょうか。

 

 後者のタイプのひとには後者のタイプのひとだけが出せる、人間としての「本物さ」があって、そういうところにどうしても惹かれてしまう。悔しい。友達よりも先に僕がはまっていたなら心おきなくはまれるのに。

 

ダナ・ハラウェイさんの政治的な思弁的奇譚

だから、「伴侶」(companion)という言葉はわたしにとってとても大事なんですよ。伴侶は、伴侶種(companion species)のなかで共に伴侶として生成していく過程*1(a companioning with)のことです。ペットのことじゃありません。ペットもたいていは伴侶種ではあるんですけどね。

 

 ダナ・ハラウェイさんのこのインタビューも読んでいた。なんのことを話しているのかはよくわからないのだけど、こういう、新しく魅力的で含意に富む言葉をふんだんに使って、文明レベルのおおきな話がされているのを読むのがけっこう好きである。

 

フェミニストの思弁的奇譚には、奥深いフェミニストの歴史があります。フェミニスト版の思弁的奇譚にはパワーがありますからね。フェミニストSFは、子どもをつくることではなく、奇抜で野趣あふれる類縁関係をつくる営みにチャンネルを合わせなければいけませんね。少子化で子どもが少なく貴重な場合でも、子どもをつくるという話が、素敵な子ども時代を得るチャンスをほんのちょっとずつでもすべての子どもへと実際に与えようという話と全然関係ないものになってしまうという現実がありますから。

 子供ではなく類縁関係を作ろうよ「土を作ってかき混ぜなさい」。

*1:出典では傍点のものをアンダーラインにしている。