短歌 4

 

水筒を抱えて眠る兄弟はそれぞれの夢の砂漠でひとり

 

 

僕は髪切ればいいのにだらしなく髪の気持ちをわかってあげた

 

 

まなび2とせいかつ1が教室に吹き込んでくる春のゆうぐれ

 

 

ポケットに鍵を鳴らして鳥を撃ち 撃たれなかった鳥の旋回

 

 

ブランコに登った 一人しりとりに徐々に不穏な単語が交じる

 

 

恍惚の香りを散らす日葡辞書鋏を栞の代わりにされて