なんと! 3バックで試合に入ったレアル・マドリー。これはかなり珍しいことであり、実際意図もよくわからない。
チュアメニが真ん中に入った3バックで、左WBにはフランをチョイス。……たしかに、これまでのマドリーはチームとしてうまく機能しているとはいいがたかったので、新しいチャレンジは推奨されている。でも、なぜ3バック?
推測できるのは後方でのボール保持の安定化でしょうか。クロースが降りてきていたのを、はじめっから3にしちゃえという発想。ただ、セウタは積極的にはプレスをかけてこないのでその狙いは空転気味。両HVのミリトンとリュディガーもボール保持でとても強みを発揮する選手とは言えないし、ルーカス・バスケスもフラン・ガルシアも、WBとしてはパンチ力不足感は否めない。うーん。べつに悪い策ではないと思いますが、いままでのやり方よりとてもよいとも思えない。いびつさを押し付ける場所を変えただけというか。
個人的には何かを改善しようというよりは、次節のクラシコで押し込まれる展開を想定して、そのとき用の3バックを実戦テストしているのかな、と思うことにしました。セウタ戦ではそういう展開にはなりそうもないですが、強敵相手だと「ボールを持たせて攻撃は前3人のカウンター」がいちばん強いのでは? という発想である。
試合展開自体は、フィードをひっかけたボールが世界ナンバーワンプレイヤーの前に落ちてきたことで1点を先制した。
後半になると基本的には4バックに戻しつつ、アンカーのチュアメニが最終ライン真ん中に入る守備に早めに可変するというシステムに。ただ攻撃時にはチュアメニが右に落ちて3バックを形成する*1こともあるという複雑さ。
ただそれが裏目に出たのか、主導権を手放す時間帯に。そして最終ラインに人数をそろえられなかったタイミングで失点。1-1になる。
そのあとモドリッチを投入したタイミングで4バックに完全に戻した*2と思うのですが、守備時には同じタイミングで入ったロドリゴが最終ラインに戻って5バックを形成する場面がよくあった。やっぱりバルセロナあるいはミッドウィークのドルトムント戦で5バックで守勢に入るということを意識しているのではないだろうか。
実験としては何とも言えない形でしたが、とりあえず勝ち点3を獲得。ウイイレの話をしようとして「これはLa Liga EA Sportsなので…」とたしなめられる林解説員面白かったです。おわり。