短歌 66

 

生徒らを限界づけてきらきらと家庭科室の調理器具たち

 

 

びしょ濡れになった世界を神様が乾かしているような夕焼け

 

 

脳は死に向かってゆくがたまさかに夢見ることもあり鯛湯引く

 

 

結論が先にあるのが恋だからお櫃の蓋をいちいち閉じる

 

 

帰省する子供たちその子供部屋に作り物の天国を残して

 

 

停電となれば静かに眠ります ポットは腹にお水をためて

 

 

童貞はひとりぼっちで夜に聞く 彗星すっと落ちてくる音