大げんかの末に


大げんかの末に
先輩が家から帰っていって
代わりに
後輩がやってきた

後輩は俺に
抱かれるつもりだし俺も
そうするつもり
でも
昨日から言いかけていた
先輩への言葉もまだ
気になっているところだ

決してしたいわけじゃない話だ
誰かに言わなきゃいけない
必要性がない
俺はその話を
まるで俺や
共通の知り合いの……
ことではないみたいに
後輩にする

結局俺は信じないんだろうなあ
ここ数時間のことも
そしてこの後ずっと
目にするであろうことも

シャワーのあと予定を変更して
後輩は帰っていく

感情や個人的な幸せというのはどちらかというと
使い終わった
シャワーカーテンみたいなものだ
ただ濡れているだけじゃない

3年後も変わらない
その後も入れ替わり立ちかわり
知っている
みんながやってきて
みんな出て行く
(大好きだった)
5年後も変わらない
変わるのはあきらめたことだけだ
世のなかや
社会や政治だけなんだから