バーで気づいたこと 「デモグラフィックデータから座る席を予測する」編

 

 ちょっと前から月に3日だけ、とあるバーのお手伝いをしている。カウンターの内側に立って、お客さんの話し相手をしたりお客さんにお酒を作ったりするというのは、ちょっとした憧れのシチュエーションではないだろうか。

 

 そんなことを楽しみながらやらせてもらっているが、そんななかで気づいたことがある。

 

 これはもう単なる体感の話なのだけど、なんとなく、お客さんによって座る場所に規則性があるように感じる。僕の立っているバーの席図を簡単に描くと以下のようになる。

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 L字型カウンターに、席が8つあるだけのちいさなバーである。店舗自体も広くはなく、ほかのお客さんに気づかれずに背後を移動することは、たとえ背後を取られるお客さんが目隠しをしていたとしても不可能だろう。

 

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 べつのタイミングで作った図なので一貫性がないが容赦してほしい。どのような属性を持ったお客さんがどの席に座りやすいのか、その傾向の話だ。男性のお客さんが来るときには図の水色の部分に、女性のお客さんが来るときには図のピンク色の部分に座ることが多い、ような気がする。また、男女問わず、複数人連れのお客さんは図のピンク色の部分に、ひとりで来たお客さんは図の水色の部分に座ることが多いような気がするのである。

 また、このお店や、ここでなくてもバーという形態のお店に比較的慣れているっぽいひとは水色のところに、あまり慣れていなさそうあるいは初めてのひとはピンク色の部分に座る傾向があるような雰囲気がある。

 

 これはなぜなのだろうか。理由があるのか、それともただの偶然なのか、あるいは偶然ですらなく僕のバイアスあるいは観測の偏りなのか。答えは出しようもないが、とりあえず材料を整理することはできる。水色とピンク色の席には以下のような相違点がある、と思う。

 

水色:

店主(この場合は僕)が自然にしているときの正面が向く位置になる。

店の奥側。出入口が遠く。混雑時は人で塞がれる。

 

ピンク色:

店主(この場合は僕)が自然にしているとき、側面が向く位置になる。

出入り口から近い。

 

 このような席の諸条件と、そこに座る人物のあいだにはなにか関係がありそうである。この件についてはひきつづき観察を続けていきたい。

 

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 ちなみに、先ほどの図にはピンク色にも水色にも含まれない席がひとつ残されている。L字型の端っこ、入り口に近い図の一番上の席である。これは不手際ではない。

 

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 実際の写真を見ていただくとわかるとおり、物件の都合上、この席だけ非常にコンパクトになっている。ここはどういう席なのか? 観察がいちおうの答えを与えてくれている。

 ここにはおじいちゃんのお客さんが座って、ゆっくりとチルしていることが非常に多い、気がする。

 

 狭いところが落ち着くのだろうか。