実は好きなもの:「置き配しましたよ」の証拠写真

 

 アマゾンなどでの配達方法を「玄関先に置き配」にしているときに、確率で配送業者さんが取ってメールなどに送られてくる「確かに配達しましたよ」の写真があるじゃないですか、僕はあれがとても好きで、届いた際にはPCの専用のフォルダに保存している。

 

自己中心的なリミナルスペース好き - タイドプールにとり残されて

 

 何がいいのかというと、あれにリミナルスペースを感じるんですよね。集合住宅暮らしなので映っているのは基本的に廊下や階段、ドアといったリミナルスペースではおなじみの要素たち。そこに、荷物が床置きされ、視線が集中するポイントが作られている。そして、荷物があるということはそこに誰かがいたということでありリミナルスペースの美学の重要な点、「存在の痕跡」が満たされている。

 もうひとつ重要な「不在」もその通りである。置き配がされているということは、そこに自分自身がいないということであり、またほかの人も、……いるかもしれませんが少なくとも写真には写りこまない*1。そして写真のプロでもない業者さんが光量の足りない環境でサッと撮るものなので、全体的に暗い、独特の空気感が生まれるのである。

 

 

 というふうに結構おいしいツボをつきつつ、ある程度日常生活に身近でよく見かけるものでもあり、そこにことさら注目するというバズ的ポイントもあるので、「置き配しましたよ」画像、潜在的に好きな人は僕以外にもたくさんいるのではないか。

 

 潜在的、だけではなく、すでに確立したアートのジャンルとして集めているサイトとか、同人誌とかあったりするんじゃないかなとも思ってちょっと探してみたのですが、パッと見た感じではなさそう*2でした。

 まあ確かに、超コンフィデンシャル、というわけではないにせよ、「置き配しましたよ」画像というのはけっこうプライバシーの塊*3で、付きまといなど重いものからカジュアルに置き配パクられまで、公開するとまあまあのリスクを背負うことになる。うす暗い画像を見て「いい…」と悦に入る趣味のアピールのためだけに追うにはしんどいですね。世の中にないのも納得である。

 

 というわけで、もうずっと自炊するしかない、と思い、置き配がされるたびにその写真を保存して専用フォルダに入れて眺めている。なかなかセロトニンが出ておすすめですし、年季が入って前の家の画像とか懐かしさとかもある。びびっと来た人はぜひ、集めてみてはいかがでしょうか。

*1:業者さんも近くに通りそうな人がいたらまず行かせてから写真を撮るだろう。

*2:検索ワードも難しかった。

*3:特定しようと思えば簡単に住所と部屋番号まで特定できちゃうでしょうし、ひょっとしたら部屋にいるいないの時間帯までわかっちゃうかもしれない。