彼は時空の目利きをしていて


彼は時空の目利きをしていて
指をひっかけられそうなループをいつも探している
けれどもっといい職を探そうと努力もしていて
たまに遊びに行けば
どこからか着なそうな服を持ってくる
下から見上げたビルを撮る
チャットゲームに最終解を見つける
そしてついに
純粋な気持ちはモザイクを貫通する

僕もついに48歳になって
全体ラインでするような会話をいつもしている
新しい物事はもう求めない
炊き込みご飯の味だって
3種類もあればもう十分なのだ
僕には食べ物をひと口で食べない癖がついている
歯で噛んだあと
皿に戻すこと何度も

  ※

僕たちの友情はとっくに終わりを迎えたが
それからも月に一度くらいは会っていた

ガウンを羽織って面皰をつぶせば
誰にも顧みられなかった時間に向けて
最初に盗まれた時間に向けて
僕たちはもう一度挨拶が
できるくらいの関係だった