Bomb the Music Industry! ど真ん中に

 

 さまざまなスタイルの混淆、鎮静ではなく昂揚を周りに伝える「ハレ」の感覚、そしてそれら横溢するすべてをまとめあげるハーモニックなアンサンブル。それ以外にももちろん音楽はいろいろ聞くのですが、結局自分の心のストライクのど真ん中に刺さってくるのは、上記の3条件を満たすようなミュージシャンなんですよね。

 

 これまではその趣味の殿堂の中心に座っていたのはScreaming Maldiniだったわけですが、ここ数日の音楽発掘で対抗馬を見つけたような気がする。まず、グループ名を聞いたときから、とくに末尾の「!」に波長の近さを感じ*1ましたね、「Bomb the Music Industry!」です。

 

 こちらがSpotifyのThis isプレイリスト。1曲目の「Slumlord」はいきなりUK感のある*2美メロで始まり、情感を漂わせながら展開していく。間違いなくアンセムでしょうね。ラジオ再生でこれが流れてきて作業を止めて聞き入ったのが出会いの始まりでした。

 

 3曲目の「Syke! Life Is Awesome!」も名曲だと思います。方針としてはAJRの「World's Smallest Violin」を彷彿とさせるような感じで、テンポが大事な音楽を彩り豊かにしながら盛り上げていく、曲に仕込んだ種々のアレンジが素敵です。曲名に入っている「!」もいいですね。やはり「!」は入れるべきところには入れていくべきだ。

 

 10曲目*3の「25!」もそんなビックリマークソングのひとつ。この曲に限らずけっこうハードコア的、ものによっては(たとえばこの次の11曲目など)スカパンクのニュアンスがある曲が含まれているのも面白いところ。最初にScreaming Maldiniと争うという話をしましたが、向こうがだいぶ「大学」を感じる音楽なのに対し、こちらは、もちろんソフィスティケートされていない音楽ではまったくないんですけど、どこかに田舎・ロウワークラスのイメージをかぎ取ることができて、そこもとても好対照である。

 

Everybody That You Love - Bomb the Music Industry! (OFFICIAL VIDEO)

 

 最後に英語版Wikipediaに載っていたかっこいいインタビューを引用して終わりです。

 

When an interviewer once described the band as "ska for smart people," Jeff Rosenstock responded: "...you could call us ska music for smart people or indie rock for dumbasses at the same time. That's nice that somebody thinks we're smart."

あるインタビュアーがバンドを「賢い人のためのスカ」と評したとき、ジェフ・ローゼンストックはこう答えた。「…私たちを賢い人のためのスカ音楽と呼んでもいいし、バカのためのインディーロックと呼んでもいい。誰かが私たちを賢いと思ってくれるのは嬉しいことだ」

Bomb the Music Industry! - Wikipedia

 

*1:「!」がつくミュージシャンは「!!!」を除きだいたいとても好きである。

*2:実際はニューヨーク州郊外出身である。

*3:今思ったけど更新がありうるから、曲順は数か月後見ると違うものになっているかも。