DQMJシリーズの3つの性

 

 「モンスターを仲間にして戦う」というゲーム性が特徴の「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズには「配合」というシステムがあって、これにより♂のモンスターと♀のモンスターをかけ合わせることで、二匹の特徴を受け継いだより強力な次世代のモンスターを生み出すことができる。

 ただ、♂と♀どうしじゃないと配合は行えないので、計画的に強いモンスターを作り出す際には、仲間にするモンスターの性別にしっかり気を払う必要があるのである。

 

ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー

ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー | SQUARE ENIX

 そして、ニンテンドーDSから発売された「モンスターズ ジョーカー」シリーズからは新たに「両性」を持つモンスターが登場した。これは♂と♀を組み合わせた記号で表示され、♂・♀両方のモンスターと配合が可能であるという便利な特性を持っている。

 

 最近その「ジョーカー」シリーズのリアルタイムアタックを見てはじめて知ったのですが、この「両性」、実は♂・♀の完全な上位互換というわけではない。なんと「両性」どうしでは配合ができないのである。

 

 それでちょっと思ったのですが、「両性」というとらえ方は外しているような気がするのである。なぜなら♂・♀・両性はそれぞれ自分と同じ以外の2つの性別と交配が可能ということであり、その点で対称なのである。

 ♂と♀があり、その二つの特徴をあわせもつ両性がいる、という「2+1」の捉え方は、男と女の2性しか持たないジョーカー世界の人間が、モンスターたちの3性による交配の形式を、あやまって自分たちの性のあり方に寄せる形でミスって理解してしまったものではないのか。

 

4つの性がある小鳥 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

性別が720種類で、脳がなくても学習!? 謎の生物「ブロブ」にまつわる、5つの疑問 | WIRED.jp

 現実にも同じように「自分以外のいずれかの性別とあわせて2匹で生殖可能な3性を持つ生物」がいないかどうかちょっとだけ検索してみたのだが、そういうのはいなさそうである。(4や720はいるらしい)

 

 現実にいないのであれば空想するしかないよな。知られているものとは異なった性の形とそれに伴う社会のあり方というのは、フィクションの世界では1ジャンル確立しているといっていい魅力的なモチーフである。

 僕ももし万が一DQMJ世界でモンスターを主人公にしたラブコメ二次創作ストーリーを作る時には、「両性」というのは人間が思う両性ではなく、互いにフラットな関係にある性別が3つあるだけなのかもしれない、ということを念頭に置いて考えたいなと思いました。*1*2

*1:一応3性は2性に比べて、交配可能な相手と出会える確率が1.333...倍(2/3:1/2)になるという適応上のメリットがある。これは数が増えるほどさらに有利だが、一方でゲノム的なメカニクスは2より3のほうが複雑になり、これも数が増えるほど増していくかと思うので、そのつり合いがちょうど取れるのが3性だった、という話には持っていけそうである。3性だと、「運動性に優れる多数の配偶子+栄養豊富な運動しない少数の配偶子」という、どうやらかなり有効らしい生殖戦略はとれず、基本的にはみんな似通った見た目、ともすれば実際に接合していないと生殖可能なペアかどうかわからない、ということまでありそう。フィクションとしては、この点をてこにうまくドラマを作れるのではないだろうか。

*2:ちなみにドラゴンクエストモンスターズの最後のナンバリング「3」では性別システムが廃止され、無制限に配合が行えるようになっているらしい。まあこういうゲームの世界観を表現してはいるけどプレイヤーにとっては煩雑なだけだよね…、みたいなシステムは廃止されるのが最近のゲームでは基本ですから、寂しいが仕方がないですね。