最近、こういうお香を買った。よく焚いている。
あんまり香りに敏感なタイプではなく、ふだん何かが匂っているときも、周囲の香りに敏感な人に「(何らかの)においがするね?」と言語化されてから初めて、「ああ。言われてみれば確かに」と匂いがしていることに気づく、……ということが多い。
なのになぜお香なんて欲しくなったのか、と言われると、個人的にちょっと、物が燃えているのを見るのが好き*1*2で、最初はキャンプファイアーとか煙草とかをありがたがっていたのだけど、前者は家ではできない、後者は喉が痛くなる(ほかにもたくさん)といった難点がある。
というわけで、ガスコンロやキャンドルなどに回り道をしながら、「火」欲をみたせる手っ取り早いおもちゃ、……としてたどり着いたのが「お香」というわけである。
上掲したHEMというお香は、インドのブランドで、お香界では有名どころらしい。その、12種アソートを買ったのですが、そのなかに「The Moon」という名前のお香が入っていた。
最初見たときから「月の香り」ってすげーな、と思って楽しみにしていた。そして今日、ほかの11種を全部試し終わってたので*3ついに焚いてみたのだ。
はたして、「月の匂い」とは。
HEMムーンですが、実はムーンと言う名前がつくお香はインド香だけでなく他国のお香にもそれなりにあり、香りの傾向はどれもだいたい同じで、暖かさよりも冷たさ、涼しさを強調しつつ、月の光をイメージした柔らかさも若干加えました、的な調香となっています。
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それはさておいて、上匂いですが多少トニック感のある男性向け化粧品のような香りが強いです。
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男性化粧品系という事で、苦手な人は苦手なんじゃないかなあ。私も苦手というほどではないですけど、好んで焚く気になる香りではありません。
最近参考にしているお香レビューブログでの評価はこんな感じ。ちょっと、香りには今のところ感度がなさ過ぎて、どうともいえないのですが、…たしかに言われてみればそう感じる*4。
ただ、お香の月の香り――もちろん月そのものではなく、月や月の出ている夜をモチーフにした香り、ということである――を調べているうちに、自然と本物の月の香りについても気になってきて、そしたらけっこうサイトが見つかるんですよ。
モワセフ氏の重要な研究道具である自分の嗅覚の中に月のにおいのイメージを構築する唯一の方法は、月面を歩いたさまざまな宇宙飛行士、特に1969年に初めてそれを成し遂げた米宇宙飛行士ニール・アームストロング(Neil Armstrong)氏が残した記述を読み込むことだった。
アポロの飛行士は皆、月の土の匂いを嗅いでいる。勿論、月面上では直接、鼻をあてることはできないが、月面活動を終え、着陸船に戻り、宇宙服を脱いだとき、その表面に付いていた土やダストに触れている。もちろん彼らは船内に入る際、それらを払い落としてはいるものの、完全に取り除くことはできないのだ。
「他の飛行士達も、土の匂いは嗅いでいたはずだよ。だが、もしそのような匂いの症状を認めたら二度と飛べないのではないかと、パイロットとして一考したんじゃないかな」
これらがかなり面白いストーリーだったので、……とくに宇宙が好きなひとや、物が燃えているのが好きな人に非常におすすめです。
「月の匂い」というだけでかなり詩的な響きだし、こう、かぐや姫みたいな月からやってきたキャラが日常のふとしたシーンで「月香」を感じて懐かしがる…、みたいな、なかなか珍しいような宇宙へのアプローチがあるお話があっても面白そう、などと思った。いいモチーフな気がする。
匂いのする月⭐ 最高🤗🤗