ちょっと前、用事があったのでひさびさに、日中長い間家の外に出る*1ということをした。その帰りには疲れ果ててしまって、お風呂にも入らずにそのまま夜中まで眠った。
眠った、……といえるのは最初の数時間だけだったのかもしれない。途中からすごく目がかゆくなって、泣きながら起きて目薬をさして、またまどろんで、でも眠りに入り切るには目がかゆすぎて……、やっと眠れても夢のなかでまだ目がかゆくて、というのをずっと繰り返した。起きて鏡をのぞいたら、目が春の蛇ぐらい真っ赤だった。
ついに来たか。花粉症が。
僕は出身地が沖縄で、高校卒業までそこで暮らしたため*2花粉症を現実的な脅威として感じたことはなかった。
本州に住むようになって、毎年花粉を浴びるようになってしばらくしてからも「発症はまだ先だろう」と高をくくっていた。ひょっとしたら、「僕はラッキー、永遠に発症しない体質かもしれない」とまで思っていたほどだ*3。
発症したのはしかたないので人に相談したら、「外出時はゴーグルをつけるといいよ」と言われた。その時はいいアイディアだと思って、塗装とかに使うゴーグルを買った。
届いてから2,3回、手ならしに家の近くのコンビニまでゴーグルをつけて、とくに用もないのに出かけてみた*4のだけど、その数回で気づいた。さすがに花粉の季節とはいえ、ゴーグルつけて出歩くと相当変な人に見えるのではないか?*5
いや、気のせい。せっかく買ったんだし春の季節くらいはゴーグルを使いこなそう、と思ってそのあとの2回くらいは気合入れてゴーグル装着で外出したんだけど、しだいに、外に出る用事が発生する時間帯になると(またゴーグルつけないといけないのか…)と憂鬱になるようになってきたので、そこであきらめた。
ふだんは人の目などあまり気にしないタイプなのだが、……そのせいで自分の恥知らず度合いをすこし過大評価しており、自分の繊細な部分にあらかじめ気づけなかったという点、悔やまれるところだ。
それで、「もうこの外出でゴーグルはやめよう」と思っていた最後の外出の終わり、玄関に入って、上着と外用ズボンに玄関わきのハンガーにかけて*6よし、これでこのキモゴーグルからの解放だ…! と思ってゴーグルを脱いだんだけどそれがメガネに引っ掛かって、メガネがはじけ飛び、なんとそのままメガネが壊れてしまった。
そのまま泣きそうになりながら*7アロンアルファを買いに行き、その道中花粉にさらされ、そのしょぼしょぼした目で何度か間違いながら眼鏡を直した。不幸は続くものなんですね…、と思った。
とりあえず、この春はもう二度とどこにも行きません。外出は最寄駅以内で、10分が限度だな。