ああ家のカレーの味

 

 最近、カレーを立て続けに作っていた。

 

 「自炊でカレーを作るのは、普通過ぎる」と思っており、これまでの自炊人生でカレーを作ったことは一度もなかったのだが、このまえはじめて作ってみたら意外と簡単で美味しくて、食材もバランスよく消費出来て食料庫もいい感じに片付く、ということがわかって感激した。*1

 

 で、カレーを作っておいしかったのだけど、実際には「なんかちょっと物足りないな…」と思うような味であったのも事実である。適当に作ったのだから当然か、と思い、とくに対策もせず、二度三度と作った。そして、やはり(おいしいけど)物足りない。

 

 そうしているうちにさっき、やっと理由がわかって、コンビニに行き、鍋に残っていた昨日のカレーに、買ってきた牛乳を適量入れて温めなおしたんだけど、見事に「物足りる」味になって大きくため息をついた。

 

 僕は子供のころ牛乳が嫌い*2で、家で作られるカレーに牛乳が入っていることもあまり好ましく思っていなかった。もともと辛いものが好きなので、牛乳なんてないほうがカレーは辛くなってうまいだろと思っていた。

 あと、子供がカレーを一口食べて、「辛い!」と文句を言うので、牛乳を混ぜて辛みを抑える、……みたいなシーンがあるじゃないですか。あの時のお皿に牛乳を入れて混ざっていく感じが個人的にすごい気持ち悪くて苦手で*3、その類推から作っているときに牛乳を入れるタイプのカレーにもほんのり嫌悪感を持っていたのかもしれない。

 

 でもね、今になってカレーに牛乳を入れたら、「ああ、俺にとってのカレーなんだな……」という、満ち足りた感触がして、なんというか、なんとも言えない気分になったのである。

 自分のこと大人になったな~とは思ってるけど、逃れられない幼少期というものはいくらでもあるものなんですね。

 

ひと口食べた瞬間、欠けたところのない「完全な円」のイメージが頭に浮かんだ

 とはいえ苦手は苦手*4なので次作るときに牛乳を入れるかというと、……まあいったんは入れないと思う。

 それでも結局、何回かに一回は物足りなくなって入れてしまうのかなという気がする。……うーん、早く牛乳のないカレーの味に慣れるべきなのか、チーズinとかで代替策を探すべきなのか、それともあきらめて、牛乳(そして幼少時代と)和解するべきなのか。

 

 最後に、東海オンエアの「家のカレー当て選手権」を流して、今日はおしまいです。

*1:皿や鍋が汚れるのは難点だが。

*2:なので給食の時も毎日「お茶を飲ませてくれ~」と思っていた。

*3:おなじ線で、カレーとご飯をかき混ぜるのも苦手。ハンバーガーとか寿司も無理で、ひとりの時は分解して食べます。

*4:このとおり、味は別に嫌いじゃなく……、ただ食べ物にかけられて白く浸透していくイメージが嫌なんだと思う。