ワールドカップ 3行メモ その15

 

ロッコvsポルトガル 1-0

・モロッコはスペイン戦同様、アムラバト選手をへそに据えたバランスのいい4-1-4-1の守備。ただ、ポルトガルサイドバックを高い位置に上げ、バーティカルなボールも駆使した攻撃をしていたため、前回スペイン戦と同じようには守れなさそう、という印象。

クリスティアーノ・ロナウド銅像をスタメンから撤去して完全体になったポルトガルは、プレッシングとポゼッションを利かせて快調な攻撃を披露。ただ、ウィングの位置にボールが渡ったあとの打開力に乏しく、できれば外をおとりにタレントひしめく中を使って攻撃したいね……、という感じ。

・こういった戦術上の趨勢とはあまり関係ないところで、パッションを見せつける形でモロッコが先制。そのままロナウドを入れたフォルムチェンジ*1を有するポルトガルの猛攻をしのぎ切り、シェディラの退場*2にもめげず、アフリカ勢初のベスト4進出を決めました。おめでとう!

 

 セレブレーションにも国ごと、その人ごとの形があって、ピッチの上では文化が混ざり合う。

 

イングランドvsフランス 1-2

・素晴らしかったラウンド8のトリを飾るのは今大会今まででもっとも豪華なこの試合。先制点はチュアメニ。あんなの、クラブで見たことがないぜ……。*3

イングランドが得た2本のPK*4によって実現した、ワールドカップの舞台でのウーゴ・ロリスとハリー・ケインの対決。スパーズファンとしては見たかったような、見たくなかったような、戦い自体は見たいけど決着がついてしまうのは見たくないような、絶妙な気分になりました。

・この試合でも際立っていたと思うのは個人的にはアントワーヌ・グリーズマン。サッカーの仕事を番号で例えるなら、6番から11番(9番をのぞく)までの仕事を全部こなすピッチ上の熟練労働者でした。彼がこのトップフォームをあと2試合維持するのであれば、史上3か国目となるワールドカップ連覇達成国が誕生すると思います。

 

 しかし、ケインとロリスの真剣対決が見れるとは思わなかった。ワールドカップって二次創作なのか。

*1:劣勢になったらロナウドを入れて奇跡を願う戦法にシフトできるのは、逃げ切りを狙う側としてはかなりいやらしい。

*2:これまで見ていてもカウンター時体重かったり、シュート時落ち着いていなかったり、全体的に判断が悪かったりと、……セリエB得点王の選手らしいのだがどうやっていつも点取っているんだ、と思っちゃう出来である。

*3:新しい武器を身につけて帰ってきてくれ。

*4:フランスのファウルは2本ともわりと軽率だった。フランス、強いんだけどこういう謎のもろさがあって次のモロッコ戦が不穏。