先輩Aから「(べつの先輩)Bとシン・ウルトラマン見に行こうよ」と言われて見にいった。
しかし、待ち合わせの場で先輩Aに聞いたところ、「先週お前が俺の携帯でBに勝手に『シンウルトラマン見に行こうぜ』ってLINEした*1から今日集まってるんだよ」と言われた。僕はそのことをまったく覚えておらず、まあ先輩に誘われたから行くか、くらいのテンションだったので、……結局「誘われたから行くか」くらいのテンションの人計3人で「シン・ウルトラマン」を見に行くことになったのである。
心理的コンディションは万全ではなかったが、結果的には「シン・ウルトラマン」はとても好きな映画でした。以下完全にネタバレするのでご注意ください。
まずは、冒頭の怪獣スライドショーが面白すぎましたね。そのあとは、一応僕はウルトラマンを多少知っており、多少の怪獣萌えも持ってるので、冒頭でネロンガが出てきたときには「ネロンガだ~~~😆😆😆😆 きゃわわわわ🥰🥰🥰🥰🥰🥰」といった気分になっていた。
……それで最後まで見終わったのだけど。いったん「すごく良かった…」となってそのあと考えることがいろいろ始まった前作「シン・ゴジラ」と違って、まずはこの作品についてはすごく良くなかった部分が2か所あった。1か所はずっと続くセクハラ描写。
2か所目はザラブ星人登場あたりで話の大筋がよくわからなくなることである。注目すべきは、現れた宇宙人と日本政府の折衝なのか、正体を暴くべきウルトラマンと神永なのか、それとも今後もやってくるであろう*2怪獣なのか。
ただ、「どこに着目して作品を見ていけばいいのかわからない」というのは、公開後すぐの時期としては弱点だが、時間が過ぎ、いろいろな批評がされるようになってあとだとひょっとしたら非というよりは是という評価になっていくかもしれない。このへんは、議論が熟していくのを待ちたいなと思います。
個人的にはウルトラマンという素材で、「市民的不服従」や「市民的勇気」をテーマに取り上げたのはすごく良いなと思った。前作「シン・ゴジラ」で言及しなかったところへのすごくいい補強である。*3
前作に引き続き、戦後の日本、日米関係の中での日本というモチーフが取り上げられるが、それに対して、強大な力の前にただ服従するのではなく、一方で自衛の名目で自ら破滅的な力を手にすることも良しとしない、……政府がそのどちらかを選ぼうとしても、勇気のある市民がそれを阻止するだろう、そういう「理想的」な日本のすがたが描かれる。
めちゃくちゃセクハラ描写があるにもかかわらず、とても理想主義的リベラルな映画である。
前作と合わせて、このシリーズの野心が見えてきたような気がする。ゴジラやウルトラマン、仮面ライダーというIPを使って、戦後~経済成長期~衰退期の日本を描こうという試みなのでしょう。
仮面ライダーの相手は民間の犯罪組織なので、ゴジラやウルトラマンとはまた雰囲気の違った映画になると思われる。「vs過激派」だったり、「洗脳への抵抗」みたいなことがモチーフとして扱われたりするのでしょうか。3作目も楽しみです。*4