買ってない花火の話をしながら

 

買ってない花火の話をしながら
足跡を消して夜の浜を歩いた
考えたのは僕たちが
いい印象を残すことのできなかった人のことばかり

足元では見えない
薄い二枚貝が壊れている
朝になれば光るであろう
真珠色の内側を晒して

1年後ここでまた夏なら

僕たちは子供のころの僕たちと
もう一度話がしたい
行けなかった祝勝会に
花束を持っていって謝りたい