メモリーズ・オブ・「ペンギン大喜利」

 

 (その当時面識はないが)中学校時代は最強と言われており*1、高校時代は(最強はそのままで)「学校で一番面白い」という評判を確立していたのだが、大学に入ってからはただのオタクになってしまい昼夜問わず部屋を真っ暗にしてスマブラだけをしていた……、という友人がいる。

 

 「ペンギン大喜利」というTwitter大喜利コンペティションアカウントを、その友人の真っ暗な家に泊まりに行ったとき、夜の終わりごろ、明け方*2に見て、それでめちゃくちゃ笑ったのがいまでもありありと思い出せる。

 

 今回はそんな、思い出に残る「ペンギン大喜利」の好きな回答をふりかえっていきたい。

 

 「笑点」「IPPONグランプリ」「ボケて」「坊主」「キャスパー・ユンカー」*3……、大喜利というコンテンツはルールはひとつだけなのに、そのメディアに応じて色とりどりの個性の広がりを見せてきた。

 ……「ペンギン大喜利」は世紀末の大喜利であり、ルールのないファイトクラブだった。鋭さやうまさなどかけらもない、ただ面白いだけの棍棒のような回答が乱れ飛ぶ激戦地になっていたのである。

 

 お題とかなにも関係なく、ただ「正常位伯爵」が言葉として面白すぎるだけなんですよね。こういうのを美学的に受けつけないひとも多いと思うし、外したときの滑りは通常のボケの比ではないのだが、……でも何気なしにタイムラインをスクロールしていて吹き出しちゃうのはこういう回答だったりするんです。

 

 こちらは回答を募集するときにおまけでつけられた例の回答なのだけど、これも個人的にはとても好きである。かなり不謹慎だが、そのぶん現実の社会のありかたについての鋭い問題提起にもなっている。「笑い」という営みが、……たまに不謹慎になることを許されるかわりに果たすべき社会的責任を見事果たしている回答なのではないか。

 

 個人的にいちばん記憶に残っていていまでも思い出すたびに笑うのが最後の「※wはWindowのwです」。最初見たときはほんとうに泣いて笑いました。各ジャンル一個だけできるとしたら、記憶を消してもういちどみたいギャグは「バレエだいすき!」*4だけど、記憶を消してもういちどみたい大喜利は「※wはWindowのwです」に、決まりだと思います。

 

*1:あるときクラスの男子全員で奇襲を仕掛けたが最終的に立っていたのはそいつだけだったらしい。とくに体幹が中学生レベルを超えていたという。

*2:彼の部屋の中はつねに真っ暗だったので本当に何時だったのかは定かではないが、体感では明け方。

*3:https://twitter.com/KasperJunker/status/1465270984823484417

*4:https://twitter.com/kageboushi99m2/status/1455687703605886981