百夜月というかっこいい土地

 

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 ひまだった*1のでインターネットで地図アプリを開いて、オンライン徘徊をしていた。すると、実際にとても行きたくなっちゃうようなすてきな含みと来歴のある土地を見つけた。

 今回はブログの回を1回つかって、ちょっとそれを共有してみたい。

 

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 それがこちらだ。「百夜月」と書いて「ももよづき」と読む。ストレートでおおげさだけど、でも抗いようなく、ぱっと聞いた瞬間ちょっと身をのり出したくなっちゃうような良い地名じゃないですか?

 この縮尺だとよくわからないと思うのでもうすこしズームアウトすると。

 

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 こんな感じ。紀伊山地の山の中にあるところですね。

 

 Wikipediaの「紀和町花井」*2のページに詳しいことが書かれている。陸路では到達できない山の中の旧集落であり、現在定住している人はいないという。

 

昔、紅梅寺に美しい尼僧がおり、村の若い男性の間で憧れの存在となっていた。その中の1人が夜に川を渡り尼僧に会いに行こうとするも、月が明るくて船を出せなかった。若者は毎晩出航を試みるも月は明るく照らし出し、川を渡ることはできなかった。これを99夜繰り返した末、若者は母に事情を打ち明けた。母は「あの方は仏様を守る使命を持っているので、お前が好きになってはいけない。月は村人が悪さをしないように明るく照らしているから、お前が100日待っても無駄だよ。」と息子を諭した。この一件以来、村人はこの地を百夜月と呼ぶようになった。

 そしてこのような地名にまつわる伝説があるらしい。

 

 「星置」とか「大月」とかを見たときにも思うんだけど、どう考えても地上にあるはずがない語を含む地名ってかなりかっこいいですよね。たいていは当て字だと思うのだけど、「百夜月」には「月」というひと文字を背負えるような、パワーのある伝承があってそこもクールだ。

 

 インターネットにはここをちらっと訪れたという*3ゆっくりツーリング*4動画があってめっちゃ見た。

 なかなか自分で行くのは大変そうだし、本当に川を渡って「百夜月」に踏み入るにはそうとう手段を探さないといけなそうですが、いつか行ってみたいな、と思った。

*1:正確には、月の終盤にまじでがんばればなんとかなる仕事をいまわざわざやる気にならなかったので。

*2:これで「きわちょう・けい」と読む。

*3:しかし陸路では到達できないので、川を挟んで対岸に見たところが映るだけである。けど、それでもいいスポット感はすごく出ていた!

*4:「ゆるいペースでツーリングをした」という意味ではない。