ファミレスの午前2時に

 

ファミレスの午前2時に
雨は聞こえていた
君は黙っていた
「もし俺がお前だったら
どうするか考えたい」
そう言い残して

僕らのほかには
バイトがひとり
彼も疲れ果てていた
寝ないでここに来たのだろう

母を信じなければ
母はきっと
図書館の来訪履歴に
しっかり気づいてくれている

僕にとっては
人生をかけた夜だった

 

積み上げたコインで清算をし
僕はかなえられなかった夢とともに
雨の中に消える
バイトも帰っていく
帰って二日分の睡眠をとる
母のことは忘れる
君は
それでも
手元から目を離さないで
考えに没頭するままだ