ホテルに泊まって何もしない

 

 ということを多少前からずっとやりたいと思っていて、それが最近やっと実現できた。なにもない日に、泊まる必要があるほど遠いわけではない土地に宿をとって、ホテルのなかでとくに何もせず過ごすのだ。結果からさきにいうと、とてもいいリラクゼーション効果があった。

 

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 部屋はこんな感じ。子供のころから押し入れの中とか鏡台の下とか、おもちゃを全部出したあとのおもちゃ箱の中とか、狭いところにいるのが大好きだったので、ベッドで面積の大半が埋まってしまうくらいリーズナブルなビジネスホテルはおなじようにとても大好きだ。なんでしょうね、生理的にわくわくする。

 

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 近くのコンビニで夕食を買って、15時ごろにチェックイン。チェックインしたが最後、もう出るつもりはないのでさっさとシャワーを浴びてそなえつけの部屋着に着替えてしまう。

 

 これが「なにもしないホテル泊」のいいところですよね。ふつう旅行でホテルにチェックインすると、移動の疲れとかもあって、心ではすぐベッドに横たわりたいんだけど、このあとまた出かけるし外着でベッドを汚したくないので泣く泣くベッドの足布*1が敷いてあるあたりに座るだけで我慢する、……といったやるせない事態が生じないのがすてきだ。

 

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 泊まったホテルの部屋着はなんか渦を巻いた厚みのあるタオル地でできていて、柔らかくも独特な肌への刺激があって着心地がとても良かった。

 

 ただやっぱり浴衣式の部屋着って寝ているうちにどうしても脱げちゃうのであまり好きではない、……と言うとちょっと語弊があって、べつに「あまり好きではない」と言うときに伝わるニュアンスほど好きでないわけではなくて、本当に文字通りの意味で「好き」じゃあんまりないよというくらいなのだけど、やっぱり簡単なシャツとズボンがあるほうが嬉しいですよね。そのニーズに気づいたドーミーインはすごいよなあ、と浴衣部屋着のホテルに泊まるたびに思う。

 

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 こうやって寝転がって天井を見て、意識があったりなかったりする中間くらいでずっといるのがとてもいい一日だった。

 午後のこの時間、寝ちゃうと夜寝れなくなるので悪手だし、逆に頑張って起きているとそれはそれで体の求めている基本的な心地よさをかなえ切れていないので悪手なんですよね。

 

 だから、ちょっとお金を払ってホテルに泊まり、緊張感と高揚感を感じながらなにもせずにダブルベッドに横たわって、眠っているわけでも起きているわけでもない宙ぶらりんの時間を長く過ごす*2のが一番最高なんです。良い一日だった。

*1:ベッドを写した写真に写っている茶色い細長い布のことを指している。フットスローというものなのだが、名前を言っても伝わらないタイプの品物のためちょっと考えてこう書きました。伝わっているといいが……。

*2:とは言いつつ、寝転がっていまここに書いている文章の案を考えるなどはしていた。こんな感じに染みついた義務みたいになっているのは良くないですね。ブログはそろそろ終わりにしたいと思います。