2021年7月7日と8日の日本時間早朝4:00、ヨーロッパでいちばんサッカーが強い国を決める、4年にいちど開かれる大会「EURO」の準決勝が行われた。ふたつの試合は非常に対照的で、どちらも見ごたえのある展開となった。ふりかえっていきたい。
Match 1 イタリア vs スペイン
ここまでFWモラタを引っ張ってきたスペインが、ここに来て満を持して「
実際その位置に収まったダニ・オルモが大活躍。とくに崩しと守備の局面ではとても機能していたが、フィニッシュをどうするか問題は解決されたとはいえず……、イタリアに先制を許す。
イタリアはプレスではめに来るスペインに対して中盤戦を放棄。キエッリーニとボヌッチがとにかく裏に蹴るという、中盤で多彩にふるまえるMF3名や足元につけてあげて輝くインシーニェが生きるとは言えない戦いかたにするのだけど、「それでも1点くらいとれるだろう」というような態度、自分たちの得意な形を放棄してでも相手に「やれてる」感を与えず、そのうえで実力差で勝ち切る、みたいなスタンスでいて、2試合残っているのに早くも優勝チームの格を感じてしまった。
最終的にはPK戦で決着。モラタ……。切ない……。
前の日の試合が「いかに相手の土俵に乗らないか」の戦いだったとすれば、この日の戦いは「おたがいが自分の信じる道で戦い抜くこと」だった。デンマークは連動してボールを前に運ぶときの速さと正確さでイングランドを脅かし、イングランドは攻守両面におけるインテンシティと運動能力の高さでそれをはじき返した。
ダムスゴーのフリーキックが決まったときには、「やったか!」と思ったが、そののちハリー・ケインが列を落ちてボールを引き取りそのままデンマークの致命傷となる縦パスをサカに入れたところで、「いままでなんとなく、世の空気に流されてデンマークを応援していたが、……俺はこの選手が本当に好きだったんだ」*2と、大事なことを思い出し、それからは今後「悪」の名を背負っていくであろうイングランドに心を寄せて試合を見ることに決めた。だから、あのPK判定にもガッツポーズをした。
たしかに、PKではないと言われればそうだが、PKと言うならPKなのだ。
ファイナルが、楽しみです……。