サッカーの週末

 

 ラ・リーガプレミアリーグの最終節*1があり、サッカーを観るモチベーションが高まる週末だった。DAZNの画面を見つめる目には自然と熱がこもり、ビールを握る左手、ポテトチップスをつまむ右手*2には力が入っていた。

 

 まず見たのはコンサドーレ札幌清水エスパルスの試合。最近の札幌は何がしたいチームなのかまったくわからない*3が、それでも下位のチーム、上手くいっていないチームを効率的に殴って勝ち点を積むことはできているので現状では降格はしなさそうである。

 内容に光るところがあるわけでもなく、勝ち試合が安定して見れるわけではなく、かといって負けが込んでピンチになるわけでもなく、強いところにはサクッと負け、自分らより雰囲気が悪いチーム相手には勝つ、という感じなので、応援しどころがなんというか見当たらない。ファンなのでそれでも応援はするんですが、なんとも……。

 

 FC琉球は、長いシーズンにはまあこんな日もあるさ、というような負け試合をしていた。今回は山形も最初からそれを狙ってきたわけではないと思うが、そろそろ「琉球侮るべからず」となってがっつりブロックを組んでくる相手と当たりはじめる時期なのかもしれない。結局、割り切って中央を人で固めた相手にリードされたときどうやって点を奪うか、というのはポゼッションを志すチームの永遠の課題なのだなあと思った。

 サイドのブロック外でボールを保持したところから、ハーフスペースを攻略して組織を崩したり、……みたいな攻め*4が(結実はしなかったが)なんどかあったので、これが浸透して守るチームも叩ける琉球! みたいなの見てみたいですね。

 

 このムードで逆転してでも2位フィニッシュになるレアル・マドリーはマジでなんなんだ。サッカーを冒涜しているとしか思えないのだが、そういう理不尽な冒涜も含めて面白さなんだよなサッカーの、という気もする。

 

 しかし試合自体は眠すぎて、眠らないようにしているのが大変だった。世界トップレベルの選手たちが、自由な相互理解のもとのびのびとプレーしていて、粗いけど強い、というレアル・マドリーの魅力はもはや25%くらいしか残っていない。リーガ最終節のピッチに立った選手のうち世界トップレベルと言える程度の実力を保っているのはクルトワベンゼマ、カゼミーロくらいだし、あとはそこそこの選手たちが規律なくプレーしているだけのクラブである。

 とくに、上下に力強く走るしか強みのないオドリオソラといろいろなところでプレーできてシュートがうまいしか強みのないアセンシオの息がまったくあっていない右サイドのせつなさよ……。

 

 

 この試合は結果を知った状態で観たのですが*5、結果を知っていてもここから逆転できるのってマジ?と思ったよ、いざ同点、逆転となっても喜ぶ準備がぜんぜん整っていなかった。

 知っているから信じていられるけど知らなかったら絶対信じていないよな、という未来を、ただ知っているというだけで信じざるを得ないという、ノアが方舟を作っていたときみたいな心理状態は心地の良いものではなかった。

 

 これでトッテナムはヨーロッパカンファレンスリーグの出場権を獲得したが……、……、いや! 初代王者目指して応援しましょう。

*1:セリエAリーグ・アンブンデスリーガなどのほかの欧州リーグも最終節である。

*2:僕はお箸で食べるタイプなので実際はつまんではいないがこう書いた。これが文章力である。

*3:「福森が都倉に蹴って都倉がゴールに入れる」「ジェイとチャナティップが収めて前を向く」「横幅と縦幅を使ったミシャ式アタック」「一人一殺神風ハイプレス」……などなど、これまでの札幌にはいろいろな攻撃の形の変遷があったが、いまはそれらが混ざり合って何をしているのかよくわからない、過渡期にいるようなところがある。

*4:めちゃめちゃ高くて強いFWだったり、2人抜けるウィングがいてもブロックは崩せるが、なかなか琉球がそういった強みを持ちつつ組織としての仕事もこなせる選手を保有するのは難しいだろう。

*5:リアルタイムで観るには眠かった。俺はつねに趣味より眠気を優先させてしまう弱人(よわんちゅ)……。