すごい漫画が始まった。アニメ化したらOPテーマは舐達麻かな
— ゼロ次郎 (@zerojirou) 2021年5月6日
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— LW (@lw_ru) 2021年5月6日
実は刑務所が舞台の日常系美少女漫画には既に偉大な先達がいる
このふたつのツイートを見かけたので、両方、無料公開されている部分を読んでみた。すると、先達のほう、「KILLER☆KILLER GIRLS!」は驚きの作品だったのでちょっと紹介したい。
最初の2話が無料公開されているので、まずは読んでみてほしい。紹介は、2話までを読んだ前提でしていこうと思います。完全にネタバレに配慮する、となると書くことがなさすぎるので。
読み終わりましたか?! なんか、びっくりしませんでした?
……個人的な体験から言うと、けっこう早めの段階で出てくるエロ描写とギャグから、まあそんなに真剣に読まなくてもいい、たんに突飛な設定を飾りつけにしたエロコメディだろうと思っててきとうに読んでいて、なのでもちろんキャラクターもとくに覚えずに流し読みしていたら、キャラのひとりが処刑されていた。
そこで一回ページをまき戻って、もうすこし丁寧に読んだ。丁寧に読むと、コマの情報量が多く、展開もスピーディなので、丁寧に読むのが適切だと感じた。
(なぜか登場キャラクターは動物っぽくデフォルメされている)
主要キャラが立て続けに登場するセクションの端っこでこうセルフ言及しているとおり、この「とりあえず話を読み進めてあとから把握しとけばいいや」と思ってた主要キャラのひとりが死刑に処されてしまうという展開は狙いを持ったものなのかもしれない。
そのあと、萌え漫画特有のフォーマット、話の間の4コマ劇場を本編ストーリーとつなげて利用して、「冤罪!」となる2話ラストの展開まで持って行く。完璧な導入だと思った。
そのあとは、萌え日常系漫画と刑務所サスペンスのパスティーシュが、前衛的ながらポップで、多少下品な絵柄で描かれるという独自の作品世界が繰り広げられる。
萌え・日常系の癒される感じはないし、キャラクターもキャラづけのえぐみが強く推しとかを簡単に作れる感じではない*1。刑務所サスペンスとしてはサスペンス要素に新規性はないし、振りきったパロディものとするにはその他の部分の味付けが濃すぎる。シリアスなドラマとして読むにはギャグが軽薄すぎるし、ギャグマンガとして読むにはシビアな部分が足を引っ張る。――要素のどの部分をメインに据えて読んでも、違和感を突きつけてくる作品である。
なので、萌え日常系漫画だったり刑務所サスペンスだったり、ナンセンスシリアス劇だったり、いろいろな作品のよくある形式を、形式に自覚的になってひとつの形にまとめている、という狙いがある作品だと思って、それを面白がるのがいいかもしれない。
もう2巻分くらいページがあればもっときれいにまとまっていたのかもしれないが、とはいえ最後までしっかりとその方針で突き進んでくれる。面白く、読む価値のあるマンガだと思いました。