推しcpの背後にパンク・ミュージックが流れていてほしい

 

 「ガールズ&パンツァー」というアニメに出てくる*1押田と安藤というカップリングにハマってからもう3年以上が経っている。

 オタクなので、こういうことをして一日をつぶしたりしてしまうのですが、推しの生きる物語の背後に流れる音楽ってなんだろう、推しが映画化とかしたとき*2サウンドトラックにはどんな音楽が含まれているのだろう、とかみなさんも考えていたりしませんか? やっぱり考えちゃいますよね。

 

 考えていて、毎回この結論に至るんだけど、やっぱりこのふたりの背後にはパンク・ミュージックが流れていて欲しい。なんやかんや、ふたりとも心の育ちは良さそうではあるし、そもそも最近はそんなにパンク・ミュージックというジャンルに力があるわけではないので、実際にこのふたりが趣味として聞く音楽だとは思えないのだが、……それでも、背景には流れていて欲しいのだ、例えば、こういうふうに。

 

 噴水広場に学園の女生徒たちが駆け回り、さまざまな色の声が上がるところから映画は始まる。なにか、生徒たちが怖れ、困惑し、悲鳴をあげたくなるような出来事が、広場のそばの工廠まえで起こっているらしい。でもカメラは、人垣や、五月の空気、喧騒を捉えるだけで、騒動の中心でだれがなにをしているのかは写さない。

 そのシーケンスの途中で流れはじめるのがこの曲*3で、じつのところ、「I Wanna be Your Dog」というのはふたりがおたがいに対して抱いている感情の名前なのだ。殴り合いのあと、唇にできた切り傷を指先で拭うところで、オープニングは終わる。

 

 さて、ふたりが再会するのは青年期も終盤に差し掛かったころだ。遊ぶことが上手くなり、働くことにも慣れ、人生を次のステージに進める勇気と諦めが心に芽生え始めてきたころ、とつぜん学生時代の僚友と再会し、朝まで夜の街で踊り明かす。

I'm a match, she's kerosene
You know she's gonna burn down everything

 押田くんには、午前3時ごろ、「the one whose neck is in the guillotine」のところでMVにも出てくる首を切り落とすジェスチャーで安藤くんを挑発してほしい。

 

 そこでふたりはお金を出し合って中古車を買い、大陸を横断するドライブの旅に出るのだけど、そこで流れるのがこれ。

 

 と、これ。サービスエリアでソフトクリームを食べさせあったり、機械油でくしゃくしゃになったハンカチを洗って干したり、車中泊の車内でおたがいを蹴ったり、といったシーンがあると嬉しい。

 

 そして、旅に慣れたある一日、モーテル泊の真夜中に、ベッドから安藤くんが、得体のしれない不安に襲われて起き上がる。一拍おいて流れるのはThe Regrettesの「Pumpkin」で、安藤くんはプレコーラスから歌を、不摂生とセックスでかすれたハスキーな声でささやくように歌う。

I used to think that Romeo was full of shit
And The Notebook was just my favorite chick flick
But now I get why Sarah was so hard to forget
It’s this feeling that I'm feeling, like Nemo in a net

 

 そのあと、事件が起こり、ふたりの人生の物語はクライマックスを迎える。

 

 そしてお話は、哀愁と、どこかすがすがしさのあるこの曲が背後に流れるのにふさわしいような終わりかたをする。推しcpの背後には、ぜひとも、パンク・ミュージックが流れていてほしいものですね。

*1:最終章第1話まで出てこないが。

*2:もちろん劇場公開作品「ガールズ&パンツァー 最終章」に登場するキャラなので映画化しているっちゃしているのだが、そういうことではない。

*3:歴史的な理由でThe Stoogesはパンクではないともされているが、今回はちょっと含めてしまった。この曲がないと、もう「推しcpの背後にパンク・ミュージックが流れていてほしい」という発想が成り立たないので。