2021-04-25 短歌 31 蝙蝠が罪を重ねて飛ぶ日々の法定速度の幸せだった 「罠だ」って誰もが言うよ 目印は海岸倉庫の落書きひとつ 血を売れば暮らしてゆける あたたかくべちゃべちゃしている僕らの命 大人へとなりゆく君に裏切られつめたいままだ僕のソプラノ 妹もここを気に入りますように 工業団地の夜のかがやき 海の陽は真っ白な帆をあたためる 港で生まれた猫はしあわせ 僕たちは最高時速で海岸へ 若い世代に愛なんてない