短歌 30

 

UFOよこの指とまれというように僕らは空へタワーを建てた

 

 

夏休み 飛ばすまえには忘れずに紙飛行機の重さを量る

 

 

球殻が空を覆って僕も君も植民者たちの遥かな子孫

 

 

アイロンを国旗にあてて式典のまばらな鳩を許してあげて

 

 

屋上にあってエデンは近すぎる そこから届く音読の声

 

 

目覚めから眠くなるまで 僕はいま地雷のおおい人とつきあう

 

 

ビーカーに精子差し出し少年は自分のifと向き合っている