気候上の問題で、北海道コンサドーレ札幌が開幕戦をホームで迎えるというのはかなり珍しい。そういった事情もあって、各シーズン、開幕戦はたいてい負けていたのだけど、今回は笑っちゃうくらいの大勝でございました。うれしいねえ。
システムはこのように記載しているメディアが多かったが、トップには左にアンデルソン・ロペス、右に小柏を置いて、トップ下の位置にチャナティップが来る形になっているように見えた。
ボール保持時には、宮澤と駒井が両方最終ラインに落ちて、福森と田中は高い位置を取る。しばらく経つとチャナティップが下りてきてビルドアップをサポートする。ボールを失ったら激しくカウンタープレスをかける。
守備はスペースを分担して守るというよりは、各自が状況を判断して最善を尽くす。攻撃はビルドアップ部隊が勝負できる形で前線の攻撃部隊にボールを預けられたら、そのあとは、福森、チャナティップ、ルーカス、金子、小柏といった、個人能力で守備ブロックを攻略できる選手に任せる。
……といった狙いが完全に機能していて、ひさびさにサッカーを観ていて楽しい試合だった。
選手採点(100点満点)*1
GK 1 菅野孝憲 ……100点!
仕事をする機会はほとんどなかったが。
DF 2 田中駿汰 ……100点!
中盤でボールを触ったときの判断が最高過ぎる。
DF 20 キムミンテ ……100点!
最後に守備を総決算してくれるファイターがいないとこのシステムは成り立たない。失点の起点になったのはしかたなし。
DF 5 福森晃斗 ……100点!
在籍のあいだにチームのスタイルは変化しているけど、それでも陳腐化しない複数種類のキックを持っているのが貴重。
MF 9 金子拓郎 ……100点!
9の背番号にはいろいろな意見はあると思うけど、「9番」じゃなきゃこの2ゴールはなかったのではないか。
MF 14 駒井善成 ……100点!
天才。早い段階のゴールが見れて良かったよ。
MF 10 宮澤裕樹 ……100点!
みんなが色々な場所に顔を出さないといけないシステムだけど、駒井と一緒に中央からいろいろな位置に動いて仕事をしていて完璧。
MF 7 ルーカス・フェルナンデス ……100点!
彼に過度に依存するシステムではなくなった。
MF 35 小柏剛 ……100点!
この献身性で90分動けるのはすばらしいし、クイックネスがえぐすぎる。コンスタントに得点できるようになれば海外でしょう。
MF 18 チャナティップ ……100点!
得意のポジションで王様のような働き。
FW 11 アンデルソン・ロペス ……100点!
これまでのオープンスペースへのアタックに加えて、今年は安定したフィニッシュワークが求められるはずなのでがんばって!
……万事がこの試合のようにうまくいけばいいのだけど、前のめり守備だけではどうしようもないアタッカーがいる場合とか、こちらのベストメンバーを組めないときとかにどうするかがこのシーズンのカギとなってくるでしょう。
とくにオリンピックイヤーながら、この感じだと1stチームの構想とは形がうまくかみ合わないのではないかと思われる菅選手がどうなっていくのか、ちょっと心配。
*1:サッカーの選手採点では、最低値が1、最大値が10、しかしほとんどの選手が4.5~6.5のあいだに収まる、ヨーロッパ由来の独特の採点方式がとられることが多い(10点は、試合中に人工呼吸を行い、倒れた相手キャプテンの一命を救うとかそのレベルのことをしないと出てこない)が、ここでは学校教育などでおなじみの100点満点方式で行おうと思う。