短歌 27

 

雨は月から落ちてくる水みたい 月の砂漠は干からびていき

 

 

「お手伝い募集!」の紙も飛行機に折りたたまれて放課後は雨

 

 

青い靴履いて地球にふたりきりトビウオ言語をあやつる僕ら

 

 

すこしだけ見て忘れちゃえ 僕はただ百科事典にはさんだ栞

 

 

そのまれがいまここにある 僕たちはまれにほんとうの会話をする

 

 

窓のそば妹は目を細くする 患部を掻き壊すよろこびに