短歌 25

 

アジタマゴシメサバ回る終わりゆくひたすら他者のための一日

 

 

海中に長いこといた弟を引き上げに行く舟の揺蕩

 

 

玄関で呼びとめられて君それは気づいたほうが負けるゲームだ

 

 

人生の速度に合わせて名作を読む ひとつずつ 焦りはなくて

 

 

人は人の光が見たくて物の光ばかりの地方を離れて東京へ

 

 

水槽でもきみと一緒でそれぞれの泳ぐ暮らしと漂う暮らし

 

 

すこししてシャワーが温かくなってくるまでずっと冷えつづけてた