短歌 24

 

愛すべきものを作って愛せないものはとうぶん下書きのまま

 

 

月の海 仲のよかった友達を次々見うしなう月の海

 

 

美大生川を渡って返照に大好きなラーメンズにさよなら

 

 

通り魔さん、獲物はここよと手をあげたただでさえ暗い県道沿いで

 

 

ぴかぴかの県営団地に雨が降り空が直接彼らを汚す

 

 

斜めに陽さしぬけるテラスに着いて頭の中で終えた近代

 

 

月へ行き帰ってくれば頭上には花の冠 僕らは変わる