手を握ると、骨の脆さが伝わった
キスすると、息の臭さにためらった
それでも体は必要で
捨てることなど思いもよらない
こうして山奥のメモリアルで
こうして愛はいくらでも存続する
生きている者は
生きているとき特有の傲慢さで気づかないけれど
愛は永遠だった
当事者の同意がある限り
目を開ければ、闇は僕らの敵になる
手を離せば、熱はそのまま夢になる
どうか頭脳に唆されて
山を下りることのないように
君は生きていたころは
明晰で豪胆な検死官
僕は死のことを明確に恐れて
だからこそ君についていった
愛することはとても寂しい
心という腐敗しやすい器官は
生の世界に置いてきたはずだけど
雷雨が来て、冷たい土が崩れゆく
膝を抱えて、時が去るのを待っている
それでも体は必要で
自由になっても守り続ける