死人の愛を200年

 

手を握ると、骨の脆さが伝わった

キスすると、息の臭さにためらった

それでも体は必要で

捨てることなど思いもよらない

 

こうして山奥のメモリアルで

こうして愛はいくらでも存続する

生きている者は

生きているとき特有の傲慢さで気づかないけれど

愛は永遠だった

当事者の同意がある限り

 

目を開ければ、闇は僕らの敵になる

手を離せば、熱はそのまま夢になる

どうか頭脳に唆されて

山を下りることのないように

 

君は生きていたころは

明晰で豪胆な検死官

僕は死のことを明確に恐れて

だからこそ君についていった

愛することはとても寂しい

心という腐敗しやすい器官は

生の世界に置いてきたはずだけど

 

雷雨が来て、冷たい土が崩れゆく

膝を抱えて、時が去るのを待っている

それでも体は必要で

自由になっても守り続ける