『私のジャン・コクトー』
フランスの有名な詩人、ジャン・コクトーさんのことをジャン・マレーさんという俳優が回想して書いたエッセイ集、と、そのジャン・マレーさんが演じた、ジャン・コクトーの芝居の台本を収めた本で、単純に面白いというよりは奇書といった趣だった。
伝記のように筋道だってはおらず、エッセイと呼ぶにしても乱雑で、本に込められているある親愛の情がなければあまり読んでも面白くないような本だったと思う。
皆さん、泣くふりをしてください。詩人は死んだふりをするだけなのですから。
収められたひとり芝居「コクトー/マレー」の掉尾を飾るこのフレーズが美しく、ちょっと前に友達と話題にした、フェルナンド・ペソアのこの短い詩を思い出させるようで良かった。
詩人はふりをするものだ
そのふりは完璧すぎて
ほんとうに感じている
苦痛のふりまでしてしまう
白鶴 大吟醸 SWEET EDITION
これを飲んでいた。香りがあまりなく、やや醸造アルコールの角があって、ただ全体として口当たりはまろやか、それになんといってもとてもとても甘いお酒だったので、シロップのお薬を飲んでいるような感じがする。
子供のころ、ちょっとした特別感とともに飲んでいたあれが、大人になると瓶でぐいっといけるようになるなんてね。おいしかったですことわ。
コッパ・イタリア 準決勝
コッパ・イタリア準決勝のユヴェントスvsACミランを観た。3か月ぶりにイタリアで開催されたサッカーの公式戦である。
ミランはズラタン・イブラヒモビッチなどの主力を出場停止で欠いていて、コロナ前に行われた1stLegでアウェイゴールぶんのビハインドを背負っている。一方のユベントスは動きがかなりキレキレで、けっこう体を動かせない期間が長かったはずなのにプロサッカー選手ってすごいなあと思った。
再開後はどの国でも過密日程が続く。ここから先は、チームの意識の差だったり、選手個人のコンディション調整能力といったものが重要になってくるのかもしれない。
まあ悪いというほどではないけれどぱっとしない出来だったコンティが、こういうハードなシチュエーションの試合で与えてしまうには惜しいPKを与えてしまい、終わりかと思ったけれどそれをクリスティアーノ・ロナウドが外して、これでミランの士気も上がってくるかも……、と思ったらその外したプレーの流れでアンテ・レビッチが敵選手を蹴ってレッドカードを提示されてしまう。この時点でほぼ終わった試合だった。
アンテ・レビッチ……、まえ見たときはけっこう好きな選手だったのだけど。