「ドラえもん のび太と鉄人兵団」

 

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 年明けのころから、ドラえもんの映画がAmazonプライムで見放題になっている。それをいいことに、年が明けてからドラえもんの映画ばかりを見続けてきた。

 

「おざしきつりぼりと言ってね。…ひみつなんだ」

 たくさんの数があるドラえもん映画のなかでも、「鉄人兵団」はとても人気がある。個人的にはもっと思い入れのある作品がいくつかあって、みんな大好き系の映画にはなかなか手が伸びなかったのだけど、見てみるともう本当に面白い。

 どうしてか地球に転送されてくるロボットを拾ったかと思ったら、謎の少女が現れて、最後には鉄人兵団を無人の鏡面世界で迎え撃つことになる。物語の流れはかなり複雑だけど、無理をしているそぶりはない。鉄人兵団との戦いの決着は、ちょっとルール違反気味のような、シリーズ内でなんどもおなじことをやっちゃうとさすがに苦情が出るような類のものだけど、逆にこれをやったのが鉄人兵団で本当に良かったよね。

 

「ちょっぴりかわいい子だったな。だれなんだろう?」

 全体としての収まりだけではなく、ひとつひとつのシーンもとても魅力的である。個人的に好きなシーンをいくつか挙げていきたい。

 

・「逆世界入り込みオイル」が徐々に広がっていく湖のシーン。

・はじめてザンダクロスを操縦するとき、物置を壊せなくて躊躇するのび太くんと、「じつは僕が操縦してたんです」と種明かしするドラえもん。いまの年になってドラえもんを見るともうドラえもんのび太くんが(ジャイアンスネ夫もしずかちゃんも)かわいくてたまらない。

霞ヶ関駅入り口でのび太くんがリルルに銃口を向ける場面。「撃っていいわよ」「意気地なし」って……。

・自分から望んで鳥かごに閉じ込められるリルル。ロボばれシーンといい包帯といい、このキャラクターは性癖を壊しに来てる。

・「ポケットの中に」が流れる、対鉄人兵団防衛戦前夜の買い出しの場面。いまとなってはクライマックスを楽しむけれど、子供のころは映画のいろいろな部分のなかでも、冒険の楽しいひとコマが描かれるシーンがいちばん好きだった。

 

泣くなよ。やれるだけのことはやったんだ

 「ポケットの中に」好きな曲なんですよね。作中ではアレンジBGMとしても流れまくる。このメロディがここまで流れるのは「のび太の恐竜」と「鉄人兵団」くらいなのではないでしょうか。

 

 「ポケットの中に」がとても大好きで、高校に上がった最初の時期にさびしい寮のひとり部屋で流していたらとつぜんフランス出身の留学生がノックもなしに入ってきて、「何この歌? 変な声なんですけど笑 お前めっちゃ変人じゃん」と言ってからかってきたのでめちゃくちゃ嫌な気分になり、フランスのことも嫌いになったという思い出がある。