六町ミュージアム・フローラ

 

 好きな街の地形に以下のようなものがある。

 

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 こういうふうに川に大きめの橋がかかっていて、そこには大きめの車道が通っている。橋は大きく、地上からかなり高いところにかかっているため、車は川からちょっと離れた場所から高架に乗り込み始めなければならない。川を渡る高架の車線の両脇から、川にいきあたってT字路になるマイナーな車道が伸びている。その先に歩行者や自転車が高架に登るためのスロープがある。こういうところがわけもなく好きなんですよね。

 

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 金曜日の7時、ドラえもんの時間に必ずやっていた、「ココスの包み焼きハンバーグ、大好評!」というCMをご存じでしょうか。アルミホイルにナイフが突き立てられると、そこから「ドラドラ~!」と赤いミニドラがたくさん出てくる、それにかぶせて、ドラえもんの声で「ココスの包み焼きハンバーグ、大好評!」とアナウンスがされる。

 このCMを毎週見ていた僕はほんとうに、ココスの包み焼きハンバーグがおいしそうで、食べてみたかった。しかし僕はあまり親におねだりをするのが上手な子供ではなく、つねに与えられたもので満足しようと頑張っていた。

 

 ある日、なにかのはずみで、親におねだりをしてみたことがある。ココスの包み焼きハンバーグがどうしても食べたいのだと。僕がなにかを頑張って、ご褒美がもらえそうな雰囲気の日だったと記憶している。僕は僕なりに満を持して、緊張しつつ自分の望みを述べた。親は「ココスは沖縄にはないよ! 沖縄にないものには、行けないのでした~、残念!」と笑った。

 ココスが沖縄にはないということを幼少期の僕は知らなかったが、知っていてしかるべきだったと後悔した。ココスとか見たことないし、考えればわかるはずだったのだ。沖縄にはないものには行けない、そんな当然のことを指摘された幼少期の僕は深く恥じ入って、二度と身の程を外れた望みは抱くまい、と固く誓った。

 

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 そんな幼少期が終わり、僕は大人になって東京にいて、川を渡ってしばらく歩いていたらココスがあった。入ってみて包み焼きハンバーグを食べたが、非常に普通のハンバーグで、やはりこれは5歳ぐらいのときに食べておくべきだと思った。(付け合わせのパンや、ドリンクバーは非常によかった)いまは沖縄にもふつうにココスがあるらしい。行くといいよ。

 

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 今回の目的地はこの「六町ミュージアム・フローラ」だったのだが、入ってみても営業している様子がなく、寄り集まっている老人たちが僕のほうにちらちらと視線を送ってきた。ただ、べつに咎められることもなかったので中に入ってみたら、作品はひとつもなかった。右往左往しているうちにおじいさんに呼び止められ、「絵を見に来たんだろ? 2階に行きな」と言われたので行ってみたら、2階にいた別のおじいさんに「絵はないよ!」と言われ、退館することにした。

 あとでWebを調べてみたところ、毎年2,5,8,11月は丸々休館らしい。しかも営業している月も週に2~3日はお休みだし、営業時間は11時から5時までである。僕とおなじくらい働いていないこの施設に非常に共感を持ってしまったので、また来月行こうと思います。今日はお休みのところお邪魔してしまって失礼しました。

 

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 やることがなくなったので六町駅周辺を探索している。つくばエクスプレス沿線の駅の例にもれず、この六町でもひたすらひたすら住宅が建設されていた。まるでSid Meier's Civilization®である。ふらふらと歩いていると大きな工事用柵にぐるっと囲まれた巨大な開発区域に迷い込んでしまった。地図を頼りに歩きまわってみたけれど、まあ出れない。遠回りに遠回りを重ねてなんとか住宅地から出ることができた。

 

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 そのあとは北綾瀬まで歩いた。ついたところでよい感じの公園を見つけたのでベンチに座り、本を読んでいた。すると暗くなったので、本を閉じて電車に乗った。ここはマイナーな始発駅なので、ホームで待機している電車に乗り込み、席を選んで座ることができる。いい感じの席に座って、本の続きを読んだ。