なんで、私がサンリオピューロランドに!?

 

 お酒を飲んでいると、とつぜん先輩からLINEがあった。「ピューロランド行けたりします?」よくエルモの口真似をしている先輩なので、先輩が行くのはとくに不自然ではないような気がしたが、サンリオピューロランドは僕が行くには若干不自然な場所ではあった。それに、べつにピューロランドに興味があるわけでもないし、そもそもその日はバイトのシフトを申請してある。

 

 ありがたいお誘いだけど、さすがにお断りしようかなと考えた。が、そのとき僕はお酒を飲んでいて、うまれつき好奇心が強かった。こんな機会でもなければ二度と行くことはないかもしれない。愛と夢とで、できた国。サンリオピューロランド

 

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 行ってみるとわりとしっかりと楽しかった。僕はそんなにサンリオキャラを知らないと思っていたけど、けろけろけろっぴはそういえば3歳ぐらいのころ好きで、いろいろキャラクターグッズを親に買い与えてもらっていたような気がする。それにけろっぴくん*1は推しのコラボ相手でもある。

 

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「ぷちぐるラブライブ!」にて、「サンリオキャラクターズ」と史上最大級のコラボを開始

 

 この「コラボ」というのがサンリオを楽しむ上での(邪道なのか、それともある程度確立した道なのか判断はつかないけれど、すくなくとも)、重要なファクターであるらしい。様々なほかのジャンルの住人たちが、自らの推しをサンリオの世界観の中にはめ込み、写真を撮ったり愛でたりするといった楽しみかたをしていた。シナモンの家のいすにぬいぐるみを載せたり、ハローキティの郵便ポストに推しの写真を投函したり、キキララの雲製造機の前で押しグッズと一緒に写真を撮ったり。様態は様々であったが、全員が楽しそうであるということは共通していた。

 

 僕はオタクがとても好きなので、こういういままで知らなかったオタクの文化を発見するとそのたびにとても感動してしまう。

 

  今回のサンリオピューロランド探訪は、もちろん楽しかったのではあるんだけど、まだ社会科見学の楽しさの域を出ていなかったように感じる。もうすこし芯をとらえた楽しみかたがあるはずであり、もうすこし勉強したあと、次はひとりで行ってそれを確かめてみてもいいかなと思った。

 

よくピューロでも、カップル客の男性がちょっとスカした態度をとっているのを見るんですが、『かっこつけんなよ』と思います。この愛を素直に受け入れろ、恥ずかしがってんじゃねぇよ、と。男のプライドがどうしても邪魔しちゃうんだと思うんですけど、壁をひとつ破ったらその先は天国ですから。

34歳でサンリオに狂った男芸人の言い分(PRESIDENT Online)

 平井“ファラオ”光もプレジデントオンラインの記事でこう語っている。

 

 しかしそうはいってもなかなか世界観になじめないらしきお客さんもいた。一番すごかったのは入り口近くの柵にもたれかかって地べたに座り込んでいた、短パンをはいたいかつい西洋系のお兄ちゃんで、焦点の合わない目で天井を見つめながら親指の爪を噛んでいた。自分がいるべきではない場所に閉じ込められた、無力な囚人のようだった。先輩は「終電後の錦糸町のホームにいる人だ…」と呟いた。

*1:「くん」「ちゃん」づけで呼ぶとサンリオに詳しい感が出る。