月島

 

 

 勝どきに行く用事があった。勝どきにはいい感じのお店はなさそうだったので、すぐ隣にある月島に移動して、飲み屋を探していた。そしたら、素晴らしい飲み屋に、しかも2軒も出会うことができた。そんな、美しい一日の話をします。

 

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 月島といえばもんじゃ焼き、そのもんじゃ焼き屋さんが並んでいるとおりにそのお店はあった。「月島 牛もつ げんき」というお店。店内にあるのは調理スペースのみで、お客さんは外の簡易座席で飲食する形になる。

 カウンターは立ち飲みに合わせた高さに据えられているが、置かれているのは普通のいす(おそらく最初は立ち飲みでやっていたが、どこかの時点でいすが置かれるようになったのだろう)なので、料理や食べ物は胸ぐらいの位置に来る。

 

 ドリンクメニューは角ハイボールとワンカップ日本酒のみ。ビールやチューハイが飲みたい場合は2缶までならその辺で買ってきてもOKというシステムだった。持ち込みをした場合「モヤさまセット」というセットメニュー(680円でモツ串や煮卵、こんにゃくなど6品)をグループのうち誰か一人が頼まないといけないが、持ち込まなくてもこのセットの購入はマストといえるので、大したデメリットにはなっていない。いろいろとシステムは難しいが、すべて張り紙に書かれているのでとても親切だった。

 

 店主のお母さんはとてもいい人で、この日はキュウリの漬物をサービスでいただいた。同席したおばあさんと目が合ったので、なんとなく微笑み返したら、「あらやだかわいい子ね、お酒飲める年齢なの?」と聞かれた。もう25歳なんだけどね。こういうふうに人に好かれることで僕はなんとか生きている。

 

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 2軒目はこちら。「大島や」という立ち飲み屋さん。隣の席の方の話によると、いつもいっぱいのお店で、地元民でもなかなか入るのに躊躇するんだとか。そんな話をしていたら反対側の隣にいた常連のお父さんが話しかけてきて、「いっぱいに見えるけど、誰かが入ってきたらみんな詰めるから。そういう店なんだよ」と言った。そのまま話していると、「この店に来たんなら、これを飲まないとね。お金持ってるか?」と言われ、ホッピーを一杯おごっていただいた。ありがたい。

 

 ホッピーというのは、普通のグラスに氷のはいった焼酎が出てきて、そこに外のホッピーを注いで、でも一杯ではホッピー瓶を使い切るには足らないので、2杯か3杯くらい焼酎をお代わりして楽しむ、というのが通例なんだけど、こちらのホッピーはすこし違った。

 グラスが冷えていて、焼酎も冷えていて(というか過冷却状態で、注ぐとみぞれ状に凍る)、ホッピーも冷えている、通称3冷と呼ばれるホッピーが、僕も初めて見たホッピーグラスとともに出てくる。ホッピーグラスはホッピーを丸々注いでちょうどなみなみになるように計算して作られている。写真は隣にいたお兄さんが頼んだ黒ホッピーなんだけど、焼酎が凍っていて、きれいな層をなしていて、まるでホッピーでできた北極のようだった。

 

 お話によると、どちらも月島のランドマーク的な飲み屋なのだとか。人を誘っていくような場所ではなさそうなので、またひとりでお邪魔しようと思います。