起きたら歯が欠けていた

 

 こちらは個人的な反省文になります。

 

なにが起きたのか?

 業務の一環で上野ではしご酒をしていた。時給が発生するかはいまいち明確ではないが、すくなくとも領収書を切ることはできる。業務の終盤ごろに、三階建ての串カツやに入って、そこにいたサラリーマン3人組といっしょに飲むことになった。

 これがまあ盛り上がって、「君たち(僕と同行者)、うちの会社来てくれたら採用するよ! 決定、内定な!」「もう既に俺はお前らをどうやって育てようか考えてる」などの言葉を賜った。僕にとっては1社目の内定である。

 そのお店をごちそうになって、ボスに業務を切り上げる連絡をした。これでフリーになったので、遠慮なく連れ回されることにした。上野のスナック街にあるキャバクラに行き、お姉さんに「VIPルームもありますけどどうします?」って聞かれたとき、お兄さんがちらっと僕の顔を見て、同僚とひとこと相談し、「じゃあVIP行こう! これはもうそうだいのためだから」と言ったのが非常にかっこよかった。

 

 まあそれくらいのことをしていただいたので、僕にも当然なにかしらの義務は発生するわけで、具体的に言うとグラスを持ち上げたときに「それ飲み干せよ」と言われたら飲み干すというそれくらいのものだったが、このアルコールが効いた。アルハラに限らず、僕はハラスメント全般を受けるのが大好きで、その性向は短期的には得であることも多いんだけど、長期的には損になると思われる。

 

 結局気づいたらタクシーに乗っていて、なんとか自分の住んでいる集合住宅の名前を言うことができた。本当にギリギリの呂律だった。そのあとのことはなにもわからない。

 

 朝起きて、ちょっと活動したあとまた寝て、出勤した。気持ちはもちろん悪かったが、なにか胃にいれないとやばいと思って立ち食いそばを食べているときに歯の異変に気付いた。犬歯の尖っている部分が、すこし欠けているという感じで、いまのところ痛みはないし飲食にも支障はない。

 

これからどうするのか?

 とりあえず速やかに歯医者にかからないといけない。あと長期的には、目上の人と盛り上がって飲んでいると楽しくなってしまってまじで無理してしまうくせをどうにかして直したいのだけど、どうやって直せばいいのかまったくわからない。これ以外の生きかたを知らないんだ。

 

 変わることができないのならば受け入れるしかない。すくなくとも、過去は変わらないので、できるリカバリーをして、残ったぶんは受容していく。歯の失った一部には、いままでいっしょにいてくれてありがとう、という感謝の気持ちを伝えたい。今回は歯だったが、次はべつの体の一部だったり、命だったりすることもあるだろう。つぎに失うものがなんであれ、その事実を粛々と受け止めて、これまでの貢献への感謝の気持ちを忘れないようにしたい。