野田ゲーをやった

 

 最近感情が藤井聡太とシンクロするようになってきたので、従来の将棋に飽きがきつつあった。なので心機一転、「野田ゲー」を持っている友人にお願いして「将棋Ⅱ」をやらせてもらったのだけど、これがとても面白かった。

 

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 「野田ゲー」というのはお笑い芸人の野田クリスタルマヂカルラブリー)が開発したさまざまなゲームが楽しめるパーティーゲームソフトで、売り上げ台数でモンハンを越えたこともあるらしい。

 

 その中でも個人的にツボだったのが「将棋Ⅱ」である。普通の将棋の慣れ親しんだ「銀将」や「飛車」などのかわりに、さまざまな、常軌を逸した動きをするコマがそれぞれの陣地に配られ、その駒を使って相手の王様を取るゲームである。

 しかし、コマの動きは事前にわからず、いちど「これを動かすよ!」と選択したら駒を変えることはできない。また、どのコマが王様役なのかもどちらのプレイヤーにも知らされていない。何重にも重ねられた運ゲーなのである。

 

 

 コンセプトがとても面白かったので、もう、実際にプレイしてみるまえから好きになっちゃっていた。さっきの説明ではわかりにくいと思うので、プロ棋士*1 が実際に将棋Ⅱを指しているこちらの動画を見ればなんとなく伝わるのではないでしょうか。

 個人的には駒の動ける地点が盤外に出ちゃってもそれを選択不能にするんじゃなくてちゃんと選択できて、でも選択しても除外されるだけという面白効果で、でもそれを利用してふつうの将棋ではありえないけどゲーム上ではたしかにそうなる理由があって、しかも勝利のために有効なプレイができるというところがかなりツボだった。

 

 しかし、バカゲーかと思いきやちょっとだけ戦略性があり、それを戦いのなかで、さすがはプロ棋士、――つかんでいるのがすごい。

 

 野田クリスタルバイク川崎バイクがプレイする動画では、野田クリスタル本人がこのゲームの攻略法をすこし語ってくれる。

 たしかに、他の野田ゲー*2もそうなんですけど、バカゲーに見えてじつは戦略性、というか楽しんで戦える要素があって、でもそういう要素があるからこそちょっと熱中してプレイしてしまって最終的にはバカ要素に刺されるという、そういう面白がり方ができる。

 

 バカゲーだからって軽く1回だけプレーされて笑って終わりじゃもったいないんですよ、お笑いをもとめるバカゲーこそ、戦略性が必要という意外な真理を野田ゲーは教えてくれる。

 

 陣内智則野田クリスタルが野田ゲーをプレイするこの動画も面白かった。野田ゲー、素晴らしい。

*1:詳しくはこちらを参照。最近はイトシンTVで将棋を観ている - タイドプールにとり残されて

*2:たとえば早押しクイズとか。

ポルノグラフィティ カップリング曲全曲好き 1

 

 愛してやまないポルノグラフィティカップリング曲の話をしたい。シングルにおまけのようについている曲だけど、初期ではおまけだからこその尖りがあり、最近では尖りはないものの「これでいいんだよ」と安心できるクオリティがある。そんなカップリングならではの、ひとつ先のポルノグラフィティをご紹介できれば幸いだ。

 

1.Stand for one's wish

 「リンク」のカップリング曲。僕がポルノグラフィティカップリング曲を語るにあたって、絶対最初に語っておかなければならないのがこの「Stand for one's wish」という曲なんですよ。ファンの間でもとくに注目される曲じゃないんですけど、一方僕はこの曲が好きで好きで、なんらかのポルノグラフィティプレイリストを作るときは一曲目にこの曲を検討し、多くの場合採用している。

 

 イントロの最初の音とかデジでとても良いし、Aメロのギターのフレーズとボーカルの重なりぐあいも良い。同様にギターとボーカルは、最後のサビのまえのやりあいもすてきだ。全体として抑制の感じがありながら曲としてはスピーディなのも個人的な趣味に合っている。

 

2.蝙蝠

 「渦」カップリング曲。みんなそうだと思うのですが、ポルノグラフィティのなかでも屈指で好きな曲が「蝙蝠」です。

 はじめて聞いたのは、ロイヤルストレートフラッシュ*1WOWOW再放送。そのころはアルバムもだいたい集めてて、「ポルノグラフィティ完全に理解したな笑」と思ってたころなのでこんなわけわからんいい曲がカップリングという未知の世界にあるんだって思ってやばかったよね。結果、シングルまで買い集めることになった。

 

 いまのひとたちは幸いですよ。サブスクで簡単にアルバム曲でもカップリング曲でも聞けるんだから。そのときのカップリング曲の名曲のレア感ったら半端なかったすからね。アルバムならツタヤで100円で借りれるけど、古いシングルはないから、1000円払ってAmazonで買わないとですからね。中学生・高校生の1000円よ。

 

3.PRISON MANSION

 「NaNaNa サマーガール」のカップリング曲。普通にカップリング曲目当てでシングルを後発で集めていくと後回しになる一枚だと思うけど、そこにも、ポルノグラフィティのキャリアのなかでも独自の、かなりいい曲が収録されているのが心憎さだ。

 

 マンションにへんな住人が住んでいてロックだぜ!という内容の曲なのだけど、曲と詞に遊び心があってとても良い。それでいてスタジアムに映えそうなロックナンバーなのがとてつもない。

*1:ポルノグラフィティのライブの名前。

正統派「カウンターvsポゼッション」~2022ワールドカップ欧州予選 ノルウェーvsオランダ~

 

 サッカー界は「インターナショナル・マッチデー」という、各国代表チームの活動のためにとっておかれている週にあって、毎週の楽しみのリーグ戦がない。今回からは日本代表戦もDAZNで配信されるようになったのだが、正直言っていまの日本代表は見ていて楽しいチームではない。

 

 とりあえず、サッカー観戦から離れる週末にしようか……。そうは思っていたが、結局見てしまった。ヨーロッパ予選を。

 

Norway-Netherlands | European Qualifiers | UEFA.com

 欧州予選グループGには、ノルウェーとオランダのほかに、トルコ、ラトビアモンテネグロジブラルタルが振り分けられている。この中から上位1国がストレートイン、2位が全12か国で3枠を争うプレーオフに回る。噂には聞いていたが、めちゃくちゃシビアな争いである。

 現状、トルコがグループ1位。ノルウェーとオランダは勝ち点では並んでいるが得失点差でオランダが2位につけている。

 

 正統派の「カウンターvsポゼッション」という感じの試合で非常に見ごたえがあった。オランダは中盤の底にいるフレンキー・デ・ヨング*1を起点に、メンフィス・デパイにあてたり、クラーセンに前を向かせたり、ウィングに配給してそこから勝負したりと、弾いて守るノルウェーに対して有効な攻め手を連発していた。

 ベルフハイス、ガクポ*2のウィングは最低限やれるもののそこまでパンチ力はなかったが、かわりにオランダはインサイドのクラーセン、ワイナルドゥムがボックス内で仕事ができる。メンフィスもいい感じだったし、かなり機能している強いチームだった。

 

 一方ノルウェーは、まあ基本的には全員で守ってハーランドに賭けるチームであり、ビルドアップは無いに近かった。しかしそれでも結果を出すのがハーランド。個人的にはハーランドのプレーを一試合通してみるのが初めてだったのでいい経験になった……、というのは嘘でまあたまにしかボールに絡まないこういう試合だとべつにハイライトで見ていたのと同じである。

 ノルウェーだとほかにはハウゲ選手が印象に残った。なかなか逆サイドのウーデコールがボールに絡めなかった*3前半は、ハウゲがカウンターの中継点になってオランダ守備陣に問題を突きつけていたと思う。

 

 あと気になるのはファン・ダイク。プレッシャーをかけられたときに何度か、ボールコントロールのミスをしていてあやうかった。復帰1年目で100パーセントやれるような怪我ではないとはいえ、なかなかファン・ダイクがああいうミスをしているのを見るのはショッキングだ。

 

 個人的にはそろそろノルウェーをメジャー大会で見たい! 頑張って、ノルウェー

*1:ひさびさにプレーを見たがまじで上手すぎた。見ているだけで元が取れる。

*2:Gacktのクリア後ダンジョンに出てくる色違いモンスターみたいな名前だ。……この試合ではオフサイドラインの押し上げをさぼってしまい失点の主犯になってしまった。

*3:ポゼッションできる展開のほうが生きる選手なのと、あとフレンキー・デ・ヨングにつかれていたというのもあるのでしょう。

これまでの良かった記事 3

 

 とあるところでなんでもなく知り合ったひとから「タイドプールにとり残されて、読んでるよ」と言われ、(恥ずかしさで)カッとなって殺してしまい、いま、初公判を終えたところである。

 求刑は何年になるのだろうか……。

 

 記憶に残る会話というのがだれの人生にもあると思うが、僕の人生にとってのそのひとつについての回である。旅行が好きな友達と旅行をしていて、ふと「山が怖いのは、山がほとんど視界にない、海に囲まれた県の海沿いの町で育ったからではないだろうか」と思いつきを言ったのがその会話のきっかけ*1だった。

 

 どちらかというと「生まれより育ち!」派なので、自分の個性を環境に還元できると喜んでしまう。みなさんも自分の個性をどんどん育ちで説明していってくださいね。

 

 旅行といえば……、個人的に気に入っているのがこちらの回である。自殺の名所*2として名高い東尋坊を訪れ、実際に死が目のまえに迫ってきたときの経験を書き残している。

 福井県は好きだったのでまた行きたいですね。福井県ってじつは焼き鳥がめっちゃ有名、というか福井県民が焼き鳥好きって知ってました?

 

 福井の焼き鳥名店「秋吉」の上野支店に前行ったけれどおいしかった。また行きたいね。

 

 僕の愛してやまないドラえもんファンサイトを紹介したのがこの回。「ドラえもんの道具をひとつもらえるとしたらなにをもらうべきか?」という問いを大真面目に、多角的に考察しているサイトである。

 

 サイトの紹介をする文章のさらに紹介をするって、しかもそのもともとのサイトも形を変えたひみつ道具の紹介だしね。……3次の紹介になっています。そんなことまで始めたら、世のなかには文章があふれてしまいますね。こうなっちゃうと、終わりです*3

 

 

 当時一番見るべきお笑い芸人YouTubeチャンネルについて語ったのがこちらの回である。こういうふうに雑多な内容をうまくひとまとまりにするのが好きで、それをできた回が個人的には印象に残っている。

 まあでも、読むがわに立ってみるとひとまとまりになっているのが雑多なのはちょっと腹が立つので、これは、書いているのが楽しい回ってことになるのでしょうね。

 

 なかなか人気はないのだけど、小説について書いた回からもひとつ。たくさんあるので、良かったら読んでいってね。

 

*1:当該記事だとそうではないような話の流れで書かれているが、こっちのほうが正確だと思う。

*2:元記事内では配慮して伏せているが……、まあいいか。

*3:うそ。それはそれでいい。

東海オンエア1コマクイズ標準問題精講

 

 友達と「東海オンエア1コマクイズ」をやって盛り上がっていた。東海オンエアの全動画のなかから1コマ画像を切り出してきてそれがなんの動画か当てる、というクイズである。

 

 今回は、実際に出題された「東海オンエア1コマクイズ」をいくつか用意した。演習を繰り返すことによって、このような形式の問題を、より早く、より正確に解くための力が身につくのである。

 

問題1

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 動画の理解を問う基礎的な問題である。テーブルの上に並んだ小道具(今回の場合は食べ物)から企画の内容を答えればよい。トマトが一番のヒントになるだろう。正解は「【第一回】嫌いな食べ物大食い選手権!!!」である。

 画像内に小道具が映っている場合、まずはそれを手がかりにして考えていくのが重要だ。

 

 

問題2

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 問題2も動画の理解を問う内容だが、問題1よりもさらに正確な理解が必要になってくる。作中に映っている小道具が「幅が10cmずつ狭くなっていくベッド」だというのは分かりやすいが、この1コマを含む動画は実際に「幅が10cmずつ狭くなっていくベッド」が使用される「【幻の企画】ベットの幅が10cmずつ短くなったらいつ落ちるのか?」ではなく、そのベッドをりょうが業者に発注した回であることに注意する必要がある。

 

 東海オンエアにはこのように、動画をまたいでおなじ小道具が使用されることもあるので、しっかりと整理して理解しておきたい。

 

問題3

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 問題3は応用問題だが、焦らずに画像を分析し、ならったことをしっかりとつなぎ合わせていけば正答することができる。

 

 まず、画面に黒枠があることや色調から、このコマが再現VTRやコント動画のような、「地の動画」ではない部分から取られたことがわかる。つまり答えるべき元動画も、そういった特殊な画面処理がされるシーケンスを含むということだ。

 またてつやの服装と、画面奥の3人の登場人物も注目ポイントである。とくに画面奥の3人は、東海オンエアのメンバーではなく、ゲスト出演する役つきのキャラでもないことがわかる。

 

 この問題のいじわるなところは、4人が「きをつけ!」をしているように見えるが、じつはそうではないというところだ。「きをつけ!」をしているのではなく、一連の行動のなかでたまたまこのポーズになっている1コマである、という問題製作者の意図を汲み取ることができれば、正解まではもうすぐだ。

 

 

問題4

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 動画知識、画像分析力に加えて、ひらめきも要求される難問であるが、これを正解できれば本番でも差をつけることができるだろう。

 「文系・としみつ」というテロップ情報から、文理に分かれてしかもチームではなくそれぞれ外に出て動画を撮るタイプの企画であることがわかる。しかし、この1コマは企画の本丸部分に入るまえであり、一発で正解までたどり着けるような情報を得ることはできない。

 

 背景の車が右側通行をしていることに気づけるかどうかが肝だ。そこから正解を導くことができる。

 

 

問題5(おまけ問題)

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 これは友達に出してもらって僕は解けたんですが、どう考えても画のなかにヒントが少なすぎる悪問なので、解けなくても気にすることはないと思います。もしわかったひとがいたら、すごい。

地理今すぐ!

 

 最近お酒を飲みながらよくこのチャンネルを見ている。「Geography Now!」という名前で、このお兄さんが世界のあらゆる国を15~30分程度のコンパクトな尺で解説する、という動画が看板コンテンツだ。

 

 まあ言っちゃえばそれだけで、あんまりキャッチーではないのだけれど、中身を観てみるとふつうに面白い。それぞれの国の領土や地域区分、地形、自然、特筆すべき文化、人口構成、言語、経済・産業、国民性、歴史、他の国との関係など、ある国をなんとなく知りたいなというときに知っておきたい要素がまとまっている。

 長くなり過ぎず、浅くなり過ぎず……、とちょうどいい感じであるし、ヴィジュアル資料にも富んでいる。地理の資料集の「○○国の地誌!」みたいなページをそのまま動画で見せてくれるようなチャンネルである。

 

 国の紹介コンテンツはどっちかというと観光に寄りがちで、都市の紹介とか、世界遺産とか、伝統文化とかがメインになりがちなのだけど、そうではないちょっと堅めの知識もおなじくらいの割合で入れてくれるのが個人的には助かる。

 あとツボだったのは、めっちゃ歴史ははしょって紹介するところ。単語の連呼!みたいになっていてリズムはいいけれど、ある程度歴史を知ってないとここは聞き流す部分になりますね。

 

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Geography Now! NETHERLANDS - YouTube

 たとえば、オランダだとこういう感じのテンポになる。まあでも、地理に比べて歴史は好きな人も、その好きな人がやっているチャンネルも多いので、専門のチャンネルで見てくれってことなんでしょう。

 

 日本の回もある。この回を見ると、なんとなくどんな感じの動画なのかが良くわかるので、はじめての人はこれを見るのがいいのではないでしょうか。再生回数もかなり多い*1

 

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 このシーンや、日本の有名人を紹介するコーナーで福沢諭吉と本田忠勝の画像があきらかに逆*2なところなどでウケた。日本の回にはそれなりに読める日本語字幕がついているのも良い。

 地理に興味がなくても、日本の回は、外国人の地理のお勉強として日本がどういうふうに見えているのかがわかってけっこう面白かった。

 

 大部分の動画は自動生成の日本語字幕か、英語字幕(orその他自分の理解できる言語の字幕)をつけつつ見る必要がある。ただ、けっこうわかりやすい英語でしゃべってくれているので、自動生成字幕を見るにせよ、英語を聞くにせよ、ストレスがそこまで大きくないのがありがたい。

 

 アルファベット順に更新されていて、現在「スリナム」まで来ている。……とここで、エスワティニってどうなっているんだろう、という疑問がわいてきた。いまスリナムなので旧国名の「スワジランド」であれば出番はそろそろなのだが、ちょっとまえに国名が「エスワティニ」に変わってしまった。かといって、Geography Now!が「E」をやっていたころにはまだ名前はスワジランドだったはずである。

 つまり、このままZまで続けて行っても、エスワティニの出番は来ない。不安だ。ひょっとして、エスワティニはGeography Now!では取り上げてもらえないのだろうか……。

 

 結果はこうなっていた。よかったね…、エスワティニ。

*1:取り扱っている国の人口が多い回ほど再生回数が増えている印象がある。やっぱり、だれしも自分の国は気になるということのなのだろう。

*2:ひょっとしたらぜんぜん別人なのかもしれない。

短歌 37

 

好きなのは家庭科室だ 君だけが雲形定規を上手に使う

 

 

写真家が僕らの街へやってきてそこで僕らは天使に近い

 

 

爪切りに噛み殺されて爪たちが屍列を作る夏のベランダ

 

 

図書室に飾られた絵の林檎 ああ 青とも赤ともつかない色だ

 

 

気の弱いサディストたちを引き連れてスカートの長いあなたの世界

 

 

太陽を避けてプールに飛び込めば冷たくなった五感のふしぎ

 

 

鯉のぼり綺麗に並べこどもの日後部座席で静かにしてて